広報誌 南東北

第222号

骨粗鬆症の薬

主な薬物療法は3つ

 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは骨が弱くなって軽い衝撃でも骨折を起こしやすくなる病気です。骨の代謝に異常が起きて骨密度が減ったり、骨質が悪くなったりすることで起こります。骨密度は骨粗鬆症でない人でも年とともに減っていきます。また治療により骨密度が増えたとしても、止めれば減ってしまうので継続した治療が必要です。
原因
 「原発性」と「続発性」に分けられます。@原発性骨粗鬆症は女性の閉経後や加齢により発症するもので、約9割を占めていますA続発性骨粗鬆症は糖尿病や内分泌系の病気、関節リウマチなどや、薬(ステロイド剤など)が原因で起こります。
治療
 食事療法、運動療法、薬物療法がありますが、今回は薬物療法について取り上げます。代表的な薬物療法は3つあります。(1)骨の吸収を防ぎ骨量を増す薬=aビスフォスフォネート製剤(ボナロン・アクトネルなど)骨密度を上げる力が最も強い薬で、広く使われています。b選択的エストロゲン受容体モジュレーター製剤(エビスタ)骨に対して女性ホルモンと同じように働きかけ骨吸収を防ぎます。(2)骨の代謝を助ける薬=a活性型ビタミンD製剤(ワンアルファなど)カルシウムやリンの吸収を高め、骨の代謝のバランスを整えます。bビタミンK製剤(グラケー)骨のタンパク質の働きを高め骨質を改善します。(3)痛みをとる薬=カルシトニン製剤(エルシトニン注射薬など)
 (薬剤科 佐久間眸)
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