広報誌 南東北

第222号

爪で健康を診断

血液の状態を反映する

 爪を軽く押さえると白くなり、離すと元の色に戻ります。指の第一関節あたりを反対の指で少し強めに挟むように押さえてみると、どうでしょうか。爪の色は指先とともに少し赤黒くなりませんか?こうした変化は爪の下を流れている血液の変化によって起こります。爪は血液の状態や流れを反映していたのです。ここから「爪は健康のバロメーター」と言えるのです。
爪の色と形
 爪を軽く押さえた状態、つまり血液が指先に行き渡っていない状態は貧血の状態と同じです。ここから爪の色が白っぽい方は貧血の可能性がある、と言えます。指の第一関節を押さえた例では、指の先端で血液の流れが悪くなっている(澱んでいる)状態が再現されています。例えば、心疾患や呼吸器疾患があると血液の流れは悪くなります。このような疾患があるとき爪は赤黒く見えることがあるのです。
 血液の状態や流れは全身に影響を及ぼし、様々な病気の原因になります。こうした爪の色が長く続いているようなら、身体の調子が悪くなっていても不思議ではないですね。症状が進行すると爪の色だけでなく、形にも変化が現れてきます。
爪の形から知れること
◆スプーン爪=爪が反り返ってスプーンのように凹み、爪先が上向きになっている状態(イラスト1)。こういう状態はどちらかというと女性に多く、鉄欠乏性貧血や甲状腺の異常が考えられます
◆ばち状爪=指先が丸く大きく膨れて、爪の中央部も丸みを帯びて、指の先端を包み込むようにして伸びている状態のときは肺気腫、肺がんなどの肺疾患や動脈瘤の可能性も考えられます(イラスト2)
◆爪に横溝が出来る=爪に横線が入ったり溝が出来るのは、栄養障害や強い精神的ショックを受けたときに血流が悪くなって、一時的に爪の発育が止まることで起こるといわれています。爪の根元から溝までを測り、0・1o(1日に伸びる爪の長さ)で割れば、体調の乱れがあった時期を知ることが出来ます。
◆色の異常=白く濁ってすりガラスの様になっている場合は慢性の腎障害や肝硬変が考えられます。暗赤紫色はチアノーゼ状態で心臓・肺疾患、膠原病に見られます。
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