広報誌 南東北

第225号

ワクチンで予防できるがん/子宮頸がん

子宮頸がんの予防で接種を
 子宮頸がんは女性特有のがんの中では、乳がんに次いで第2位を占めており、特に20代から30代の女性では発症する全てのがんの中で第1位となっています。
 子宮頸がんは子宮の入り口付近にできるがんで、発がん性ヒトパピローマウィルス(HPV)に感染することで発病するといわれています。感染したからといって必ずがんになるわけではなく、多くの場合は自然に体内から排除されます。
 しかし、一度排除されても何度でも感染するため、ワクチンを接種して感染を防ぐことが大切です。海外の多くでは、12歳前後の女児からワクチン接種を推奨しています。発がん性HPVは性的接触によって感染するため、感染前の接種が最も効果的だからです。ワクチンによって、子宮頚がんから多く見つかる発がん性HPV16型と18型の2種類の感染が予防できます。しかし、その他の発がん性HPVの感染予防や、すでに感染しているウィルスの除去、がんの進行を遅らせたり、治したりすることはできません。
 ワクチンは半年間で3回の接種が必要で、費用は自費診療のため高額ですが、長期間の抗体維持が期待されます。費用に対して公費助成を行っている自治体もありますので、接種の時期や料金など、詳しくは医療機関にお問い合わせ下さい。
 最後に、子宮頸がんはごく初期に発見できれば多くの場合、子宮を温存することが可能です。ワクチンを接種する、検診を受けるなど、自分の体は自分で守っていくという心構えも大切だと思います。
 (薬剤科 佐久間眸)
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