広報誌 南東北

第225号

冬期うつ病の予防

日照時間を有効に

 数年前から日本でも「冬期うつ病(季節性感情障害)」という言葉が聞かれるようになっています。「秋深し隣は何をする人ぞ(芭蕉)」という俳句がありますが、物憂げな晩秋の情感がよく表現されている有名な句として知られています。なんとなく寂しげ、物憂いのイメージがありますが、こんな抑うつ感が日常生活にも支障をきたすほど長く続くとなると、これは心配です。
 冬期うつ病は10月の後半から翌年の3月ころにかけて発症します。また20代〜30代の女性に多くみられ、一度発症すると毎冬ごとに発症するという特徴があります。症状としては身体の倦怠感、集中力の低下、無気力感、過眠など。過食症状もみられるので吐くほど食べてしまう、あるいは満腹感があるのに食欲が過剰にあるなどの場合は注意が必要です。
 冬期うつ病の発症メカニズムはまだハッキリとは分かっていませんが、北欧など日照時間の短い地域に患者が多くみられることから、光と脳内物質の分泌との関係が影響しているのではないか、という説が有力になっています。こうしたことから、この病気の予防法としては、早寝早起きを心がけ、日照時間を有効に生かして、出来るだけ日光を浴びることが勧められています。
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