広報誌 南東北

第227号

新年のごあいさつ

医療・福祉のグローバル化へ

総合南東北病院 理事長・総長  渡邉 一夫

無事故を祈る渡邉理事長と寺西院長(右)
 平成23年の新春を謹んでお慶び申し上げます。皆様の温かいご支援により一般財団法人脳神経疾患研究所に属する総合南東北病院をはじめ、附属する6つの診療所や南東北福島病院、南東北医療・眼科クリニック、5つの介護老人保健施設など各種福祉施設、そして4年目を迎える南東北がん陽子線治療センター、さらには社会福祉法人総合南東北福祉センター(郡山市日和田)、南東北春日リハビリ病院(須賀川市)、東京クリニック(東京・大手町)、東京病院(東京・中野区)などの施設は平穏に新年を迎えることが出来ました。心より御礼申し上げます。
 昨年は依然として円高で日本経済はデフレが続き、不景気に終始しました。就職難や子供の虐待、尖閣諸島での中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突事件、北朝鮮の韓国延坪島への砲撃による朝鮮戦争の危機、北方4島へのロシア大統領の訪問、米国の弱体化、中国の経済・軍事巨大化と、めまぐるしい事件や変化が起きました。これに対する日本の民主党政治は後手後手にまわって混乱をみせております。
 こうした中で、総合南東北病院は開設から30周年という大きな節目の年を迎えました。そこで南東北グループは新年に次のような3つのスローガンを掲げました。「医療・福祉のグローバル化」「有能な人材の確保」「グループの一体化」です。中でも「医療・福祉のグローバル化」では、いま貿易立国で成り立っている日本で唯一、医療・福祉の分野は鎖国状態にあります。何時でも、何処でも、誰でも最高の医療を受けることが出来る、世界に冠たる日本の国民皆保険と言われていますが、高度経済成長の時代ならともかく、今や少子高齢化により、医療費と社会保障費で毎年1兆2000億円が自然増加していくのです。これに消費税がアップして物が売れないデフレで不景気になれば、国民皆保険は持ち堪えられなくなるでしょう。そこで、南東北グループは拠点を海外にも持って私たちの医療と福祉の理念を世界に広め、日本の南東北グループの基盤の安定化に繋げられるように新年から動きはじめます。2月に東京に「国際医療事業部」を開設してロシア、中国、ブルネイ、インド、タイ、中東諸国や南米、アフリカ、米国、EU、東欧などとの交流を活発化して先進医療、教育、予防医学などで協力関係を進めたいと考えております。
 「有能な人材の確保」は郡山市の本体を支えることはもちろん、今後進められる東京病院の400床への増床や1年半後に迫った新百合ケ丘総合病院の377床オープンに備えてのことです。中身を充実するには有能な医師はじめ、多くの職種の人材を探し出さなければなりません。海外へのグローバリゼーションのための人材や次世代を支える人材の確保と養成が急務で、海外からも採用したいと考えております。「グループの一体化」は、グループが次々に大きくなってゆくので安定的な運営のために力を注いでいきます。
 南東北グループの院是、施設是は「すべては患者さんのために」「すべては利用者さんのために」であります。これを常に念頭において全力を尽くせば多くの市民に信頼され、多くの患者さん・利用者さんにご活用して頂けると信じております。平成23年度の南東北グループは21世紀の医療キーワードとして@救急医療A高度先進医療B生活習慣病の克服、特にがん・脳卒中・心臓血管病の診断と治療、予防C療養・在宅医療・リハビリD予防医学E病診連携、病病連携Fグループホームまたは医療福祉マンションなど生活密着型環境との連携G小児医療・周産期医療、の8項目を掲げて地域の医療水準の向上に全力を投入してまいります。本年も旧に倍してご支援、ご活用をお願い申し上げます。
平成23年元旦

有能な人材を確保

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