広報誌 南東北

第230号

内服薬の服用について

「コップ一杯の水」には意味があります

 内服薬を服用する際、「コップ一杯の水で服用して下さい」と説明された経験はありませんか?どうしてコップ一杯の水なのでしょうか?牛乳やジュースではだめなのでしょうか?水で服用する理由として以下の点が挙げられます。
@消化管保護の目的A薬の吸収をよくするためB薬が食道にくっつくのを防ぐ(薬が食道にくっつくとそこで炎症を起こし、潰瘍になってしまうことがあります)以上が主な理由です。ちなみに、コップ一杯の水を一気に飲むよりも、数回にわけて飲むようにしましょう。具体的に服用する場合、注意を要する組み合わせについて例を挙げてみます。
抗生剤と牛乳の組み合わせ
ここでいう抗生剤とは、例えばミノマイシンというお薬です。これが、牛乳の中に含まれるカルシウムと反応してお薬の吸収を妨げます。また、アルミニウムやマグネシウムを含んだ制酸薬(胃酸を抑える薬)と同時に服用してもお薬の吸収が悪くなります。どうしても飲まなければならない時は時間をずらして飲むなどしましょう。
降圧薬とグレープフルーツの組み合わせ
ここでいう降圧薬はカルシウム拮抗薬という種類のお薬です。このお薬を分解する酵素をグレープフルーツジュースが邪魔をして薬の作用が強くなり過度の血圧降下を招く恐れがあるのです。
 以上はほんの一例です。お薬を服用する際は、このように飲み合わせに注意をして服用しなければいけないお薬があります。お薬の効果を高めるためにも正しく服用しましょう。
 (薬剤科 菅原麻貴)
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