広報誌 南東北

第231号

受動喫煙

 たばこを吸わない人が、他人が吸っているたばこの煙を吸い込むのが「受動喫煙」です。この健康被害に関して、未だに軽視される傾向があるようです。厚生労働省の研究班による調査では「2010年に受動喫煙による年間死亡者の推計は6800人に上る」と発表されています。推計とはいえ、この人数は2009年に交通事故で亡くなった4914人を大きく上回っているのです。
 この調査は、受動喫煙と因果関係がハッキリしている「肺がん」と「虚血性心疾患」による死亡者だけを対象にしたものです。そして、その中から受動喫煙に会っている可能性の有る人の割合で計算しているので、実際にはさらに多くの人が健康被害を受けている可能性があります。
 たばこの煙には数千種の化学物質が含まれています。その中でも特に多くの発がん物質が含まれているタールによる健康被害は、受動喫煙者の方が吸っているご本人よりも受けやすいことが分かっています。それは喫煙者がたばこのフィルターを通して煙を吸っているのに対し、受動喫煙者は直接、煙を吸い込むためです。いま公共施設や飲食店、職場などの様々な場所で分煙化が進んでいますが、まだまだ徹底はしていません。このため、法律によって受動喫煙を防止する「受動喫煙防止法」が検討されています。

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