広報誌 南東北

第232号

薬の形について

形にもそれぞれ意味が…

今回は「薬の形」について。薬は錠剤・カプセル・散剤・シロップなどが一般的ですが、実はこの形にはキチンとした意味があるのです。「薬の飲み易さ」「効くまでの時間」「年齢」などを考慮して医師が処方しているのです。
粉薬
小さなお子さんや、量を調節して薬を飲む必要がある方には粉薬(顆粒剤・散薬・ドライシロップなど)が適しています。この粉薬やシロップ剤は速く効くようになっています。またシロップ剤は飲みやすいように甘めに作られています。散剤は溶けやすいので効果が速く現れます。顆粒剤は粒を苦味や臭いを抑えるためコーティングしてある製剤を言います。
錠剤・カプセル剤
粉薬やシロップ剤は劣化が早く、携帯に不便だったり、味を感じやすいという短所もあり、これをカバーするのが錠剤・カプセル剤です。錠剤には通常の錠剤のほか、水無しで飲めるチュアブル錠、舌下錠、徐放錠などがあります。チュアブル錠は乗り物酔い止めや下痢止めで馴染みがあるでしょう。通常の薬では苦かったり消化管の保護、薬をキチンと送り届けるため水で服用しますが、チュアブル錠はこれらのことを考慮して作られているため、飲み込まず口の中で溶かすか、噛み砕いて服用します。舌下錠は狭心症の発作が起きた時のニトロ薬がこの形をとります。舌の下の粘膜は非常に吸収がよいため、急速な効果を期待したい時に舌下の形が選択されるのです。
徐放錠は薬がゆっくり身体の中で効くような仕組みになっているお薬です。服用回数が減ったりする長所があります。そのような特殊な構造ですので粉砕したり噛み砕いたりしないでください。カプセル剤は中身が液体だったり、味や臭いを抑えるためにこの形が使われていますので、カプセルをはずして服用することは避けてください。
 (薬剤科 菅原麻貴)
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