広報誌 南東北

第235号

漢方薬の特徴について

数種類の生薬をブレンドし製剤

今回は漢方薬の特徴についてのお話です。漢方とは中国から伝わり、日本において独自の発展を遂げた伝統医学を指します。現在では近代的な西洋医学を用いて病気を治療する医師のうち、約70%が漢方薬を処方しています。
作用はおだやか
数種類の生薬を組み合わせたブレンド製剤です。作用の仕方はおだやかで、からだ全体に作用します。現在は生薬のエキスを抽出し、顆粒・細粒・粉末・錠剤・カプセルなどにしたエキス製剤が多く使用されています。漢方薬は様々な種類があり、患者さんそれぞれに飲む漢方薬が異なってきます。それは『証』というものを決めて患者さんに処方する漢方薬を決定するからです。『証』とは体力・体質・症状等から患者さんの状態を総合的に評価した診断結果のことで、『証』を判断して病気を治す。これを弁証論治といいます。
『証』を決定するものの中で最も重視されているのが「虚実」と「陰陽」です。虚実とはその人の体力、体質を表します。陰陽とはその人の体温を表します。
虚実について
@実証:体力があり、体格はがっちりしていて、体温は高く、脈が強い等
A虚証:体力がなく、体格はやせ型、冷え性、脈が弱い等
B中間証:実証と虚証の中間の状態
陰陽について
@陰証:寒さに支配されいている状態
A陽証:熱に支配されている状態。
このように、漢方薬は『証』というものを見きわめて処方されています。安全に効果を発揮するためにも漢方薬を使用する際には、医師、薬剤師に相談してみてください。
(参考:「患者さんによくわかる薬の説明」金原出版株式会社 薬剤科 菅原麻貴)

 

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