広報誌 南東北

第237号

水虫の治療は秋冬が勝負

治すのは根気

コートがほしい時期になりました。夏むずむずした足に水虫の薬を塗ったら治ったような感じ、もう大丈夫-。そう思っている人が多いようですが、ホントですか。現代の水虫は夏よりも寒い秋冬になりやすいといわれています。その治療は秋冬が大切な時期です。水虫退治≠フポイントを見てみましょう。
一般的に足がかゆい、皮膚がただれるなど足に起こる不快な症状を総称して「水虫」と呼んでいますが、医学的には「虫」ではなく「白癬菌(はくせんきん)」と呼ばれるカビが水虫の正体です。この白癬菌は、高温多湿になると菌の繁殖が活性化します。室内のほとんどの場所に暖房が完備され足元が汗ばむなど生活環境の変化から夏よりむしろ秋冬の方が要注意なわけです。
白癬菌は皮靴やパンプス、長靴の中といった通気性が悪く、高温多湿の環境で繁殖しやすく、特に1日中ストッキングを履いてブーツという女性は足が蒸れ、水虫に悩まされる例が多いようです。
水虫になると必ずかゆくなると思いがちですが、かゆみは白癬菌の繁殖のスピードや皮膚の状態によって変わります。またかゆみを感じる神経から遠い場所にある角質層が厚くなっている足のかかとなどに潜む白癬菌の場合、かゆみを伴わないこともあります。
秋になると白癬菌の増殖力が落ち、痒さが和らぎ水虫はおさまったように感じます。しかしこの段階でも白癬菌は皮膚に存在していることが多く高温多湿の繁殖しやすい環境になると再び活性化します。
水虫になる原因は、温泉やプール、ジムなどの脱衣所や居酒屋の畳、スリッパなど水虫に感染の人が使ったものに触れて感染する場合もあります。また水虫に感染したペットからうつることもあります。
水虫のタイプ・症状は@足の指の間が赤くなり、かゆみが生じる趾間型(しかんがた)A土ふまずや足の外側のへりに小さな赤い水ぶくれが出来かゆい小水疱型(しょうすいほうがた)B足の裏全体が硬くなり、ひび割れを起こす角化型(かくかがた)C爪の先が厚くなり黄白色に濁る爪白癬(つめはくせん)D手にできる手白癬(てはくせん)などがあります。
水虫の診断はかゆみではなく、皮膚の角質層に白癬菌があるかどうか。そのため治療はかゆみを抑えるだけではなく白癬菌の活動を抑え、角質層から白癬菌を完全に排除することを目指します。白癬菌の活動が鈍る秋冬こそ最も大事な時期なのです。
対処方ですが、まず生活環境の改善。帰宅したら足を洗う習慣を身につけ、洗う時は指の間までゴシゴシこすらず丁寧に洗いましょう。靴下は毎日履き換え、5本指ソックスにするのも一手です。複数の靴を履きまわし、時々陰干しすることも忘れずに。白癬菌は温度26度、湿度70%以上が最も活動が活発になるといわれるため常に足は乾燥させておきたいものです。
薬は市販の物でも良く、白癬菌を破壊するブラナフィン塩酸塩などを配合した薬が効果的です。水虫の薬は入浴後毎日欠かさず患部より広く薄くぬること。症状が消えて改善してもその1カ月は治療を続けたいものです。とにかく気長に根気よく続けることが水虫退治のようです。

生活改善も積極的に

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