広報誌 南東北

第242号

脂肪燃焼効果

そのメカニズムと落とし穴

今月は脂肪の燃焼についてお話ししましょう。痩せたいと願う人にとって「脂肪燃焼効果」という言葉は大変魅力的な言葉で、ダイエットやエステの世界では頻繁に使われます。しかしそこには大いなる誤解が存在しています。もちろん減量に脂肪燃焼が必要なのは言うまでもありませんが、最も注目すべきは「消費エネルギー量」です。
脂肪を運動のエネルギーとして利用するメカニズムは絶対的なシステムではなく、体内に蓄積された糖質との相対的なバランスによって決定されます。例えば朝の起床直後は血糖値が低いので脂肪の燃焼割合が高まっています。しかし朝食をとって血中グルコースが上昇すると優先的にグルコースを使用して、やがて血糖値が下がると再び脂肪の燃焼割合が上昇します。また脂肪の利用割合は動いてないときほど高く、その割合は安静時では糖質と脂肪は50:50程度ですが、睡眠時には70%近くまで上昇するといわれます。これはあくまで「割合」の話であって、単位時間の中で脂肪のみの燃焼効率をあげることにこだわっても消費エネルギーの総量が大きくなければあまり意味のあるものではありません。
結論として効果的に減量するには、消費エネルギーをなるべく「大きく」確保して摂取エネルギーを「抑制」するいわゆるアンダーカロリーの生活を心がけることです。残念なことですが、今のところ減量に「近道」は存在しないのです。本屋さんのダイエット本コーナーでどれを買うか悩むより、まずは動き出しましょう。
(チーフトレーナー 仲田貴之 郡山市八ツ山田3-8-3 Tel:024-991-1045)
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