広報誌 南東北

第244号

知っておこう 救急箱の解熱鎮痛剤

成分は様々で違いあり。服用は症状に合った薬を

家庭の救急箱にある頭痛や歯痛、生理痛、咽喉痛など解熱鎮痛剤は、いろいろありますが、成分は様々で違いがあり症状にあったものを選ぶことが大事です。アセトアミノフェンを使った多くの薬はカフェインとエテンザミドを混ぜたACE処方で鎮痛、解熱作用に優れ、炎症作用はほとんどなく腫れには効果がありません。胃を荒らすことも少ないですが、まれに吐き気や下痢、発疹などが出る人もいます。
アスピリンは痛みの元のプロスタグランジンという成分を抑え痛みを和らげます。プロスタグラジンには胃酸の分泌低下や胃粘膜の血流増加などの作用がありアスピリンを服用するとこれらの作用を抑え、胃が荒れたり腸を痛めたりする場合もあります。胃腸が悪い人は医師に相談を。
イブプロフェンは、元々医療用で抗炎症作用の強い点が特徴。喉の痛みなどには一番効果を発揮。副作用も少なく、まれに発疹やかゆみ、めまいなどが出る人もいます。アスピリンとアルコールの同時服用は相乗効果で胃が荒れるので絶対ダメです。アセトアミノフェンを含んだ解熱鎮痛薬は肝臓に毒性の活性代謝物が出来る可能性があり、肝機能障害を起こすことがあります。
薬は胃や小腸などの消化器官で吸収、大部分は門脈という血管に集まり、そこから肝臓に送られて全身に回り疾患のある所で効果を発揮し肝臓で無毒化され排泄したり腎臓から尿と一緒に排泄されます。肝臓で薬を無毒化するのにはチトクローム450という酵素が関わります。無毒化される薬はテオドール、カフェイン、フェナセチン、鎮痛薬、イミプラミン、降圧薬、抗生物質、免疫抑制剤など。無毒化には肝機能が重要。一部の野菜や果物にはチトクローム450の働きを邪魔し無毒化を妨げて薬が強く効きすぎたり、肝機能が低下していても無毒化しにくくなり薬の作用が効きすぎて副作用を起したりすることもあります。薬を飲む場合は水や白湯が最適。お茶やジュースなどの水分では含まれる成分と薬が反応するケースもあり、コップ1杯の水で飲むのが大切です。
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