広報誌 南東北

第244号

生体のバランス

正しいトレーニングでたくましい建造物≠

今月は生体のバランスのお話です。
生物の体は微妙なバランスによって成り立っています。たとえば建築の世界にテンセグリティー(写真)というマテリアルがあります。これは数本の柱とゴムの構造で、テンション(張力)とインテグリティー(統合性)から成り立ちます。つり橋やヨットのセイルなどもこの仲間で、生物の骨格と筋肉の関係も同様といえます。この構造物は復元力が高く、つぶしても元に戻り、床に落とすと弾みます。しかしこのバランスを形作る柱1本、ゴム1本がなくなっただけでその形状を保つことはできなくなります。生物の体から部品がなくなることは普通ありませんが、ある部位の機能が低下してしまうことがあります。そうすると生物は壊れてしまうわけにいかないので、機能が低下した部位を補完する形でほかの部位が頑張ってバランスを保とうとします。この不均衡なバランスによってコリや痛み、時には疾病が引き起こされます。トレーニングは各部位の機能性を維持・向上させたり、すでに崩れてしまったバランスを調整する働きがあります。正しく行うことで健康でたくましい「構造物」を復元してくれるでしょう。
(チーフトレーナー 仲田貴之 郡山市八ツ山田3-8-3 Tel:024-991-1045)
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