広報誌 南東北

第246号

プライマリ・ケア

プライマリ・ケア(Primary care)とは、簡単に言えば普段から何でも診てくれ、相談に乗ってくれる身近な医師(主に開業医)による医療です。特定の病気だけを診る専門医療とは違って、急に体の調子が悪くなったような緊急の場合の対応から健康診断の結果についての相談までを行う医療のことを指します。
プライマリ・ケアを行う医師は、そのための専門的なトレーニングを受け患者さんが抱える様々な問題にいつでも幅広く対処できる能力を身につけている何でも診る専門医です。必要な時は最適な専門医を紹介したり、在宅診療や地域の保健・予防など住民の健康を守る任も担っています。
プライマリ・ケアは全ての臨床医に必要な能力とされますが、日本では欧米と異なり長い間プライマリ・ケア医としてのスペシャリストは存在せず、開業医や一般病院の外来などで一般の内科医、小児科医などがこの役目を担ってきました。
近年、病院と診療所などが密接な連携を取る病診連携が重視され、だんだんにプライマリ・ケアを専門にする医師も増えて来ました。
各専門診療科別の専門医と区別して総合医(ジェネラリスト)と呼ばれます。家庭医療、総合診療、総合内科などがこの範疇に入ります。一昨年に日本プライマリ・ケア学会と日本家庭医療学会、日本総合診療医学会が合併し「日本プライマリ・ケア連合学会」が発足しました。総合医、家庭医の役割の重要性が高まってきた表れと見られます。
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