広報誌 南東北

第247号

概日リズムとメタボ

肥満・メタボ防止に時間制限摂食

今年の6月、ライフサイエンスに日本人のドクターが興味深い論文を載せていました。マウスによる実験レベルですが、高脂肪食を時間無制限に与えたグループと、同等の食事を8時間という時間制限の中で与えたグループとで比較研究しています。
これは生体がより強い影響を受けるのは、食事の種類なのか、概日リズム(1日の周期)なのかを考察する研究ですが、その結果、摂食時間無制限のグループが肥満やそれに関連する病態を呈したのに比べ、時間制限の中でのみ摂食をしたグループは肥満やメタボになりませんでした。概日リズムも改善され、健康状態も良好で、糖尿病の診断に用いるグルコース耐性試験を行ったところ通常食を与えたグループと同じ程度の値を示しました。
さらに筋肉量は維持されながら脂肪量のみが有意に減少し、運動能力も顕著に高かったのです。これらのことから「何を食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」も生体にとっては大変重要なことであり、肥満や病気を防ぐ方法となり得るかもしれません。元来われわれ生物には生体時計があり日の出、日の入りなどの自然の摂理の中で生きて来た訳ですが、文明の発達とともに生活リズムが夜へと移行し摂食リズムを失ってしまったことが多くの病を作り出しているのかもしれないと感じました。
ただこれらの知見はマウスレベルのことであり「ヒト」でも同様の結果が得られるかは今後の研究を待つほかありません。
(チーフトレーナー 仲田貴之 郡山市八山田3-8-3 Tel:024-991-1045)

マウス研究結果、今後に期待も

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