広報誌 南東北

第248号

EPA(エイコサペンタエン酸)

生活習慣病の予防に最適

食事の欧米化で高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病が増えています。この習慣病による死亡のリスクを下げる1つにEPA(エイコサペンタエン酸)という有効成分があります。
EPAはイワシ、アジ、サンマなどの青魚に含まれる脂肪の成分です。日本人は昔から魚を食べる習慣がありましたが、食事の欧米化により肉を食べる割合が高く、魚の摂取量が減り、結果的にEPAの摂取が不足してきています。
脂肪は主に動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸とベニバナ油やコーン油、EPAなどに含まれる不飽和脂肪酸に分かれます。飽和脂肪酸やEPA以外の不飽和脂肪酸を取りすぎると中性脂肪や悪玉コレステロールが増え、動脈硬化を起こしやすくなり、生活習慣病の発生につながります。
EPAには体内の悪玉コレステロールや中性脂肪の低下、血流を良くすることによる血液凝固(血栓)などの働きがあります。この効果により脳卒中や心筋梗塞になりにくくし、さらに悪玉コレステロールや中性脂肪を減らすことで高脂血症・動脈硬化も防いでくれます。 医療の現場では商品名エパデールなどのEPA製剤の医療用薬品があります。使い方は高脂血症や動脈硬化によって血管が狭くなったときに生じる潰瘍、痛み、冷え症など様々な症状を改善するために使われます。EPA製剤には300〜900mgのイコサペント酸エチルが含まれています。イワシ100g中のEPA量は1000〜1500mgくらいなので毎日イワシを1〜2匹食べればEPA製剤1回分位のEPAは摂取できます。脂肪も人の健康を保つ上では必要な栄養分です。日頃から適量を心がけ、EPAなどの不飽和脂肪酸を意識して多めに取ることをお勧めします。
(薬剤科 中野洸大)

イワシなど青魚の積極摂取を

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