広報誌 南東北

第248号

感染予防週間、多彩な行事

守ろう「手洗い」実践 パネル展も開催

市民の関心を集めた「手洗いの実践」
今年で4年目を迎えた総合南東北病院独自の「感染予防週間」は10月1日(月)から6日(土)まで病院挙げて繰り広げられました。 職員向けに院内巡視を強化し研修会や映画会を開催、患者さんを含む市民向けにはパネル展示や手洗いの実践指導、講演会など各種行事を実施して予防意識の徹底を呼びかけました。
「感染予防週間」は平成21年10月から院内感染対策室(宮元秀昭室長)が主催し病院独自の運動として実施しています。市民を対象にしたイベントは1日から病院中央棟1階外科外来前でパネル展はじめ3・5日に「手洗いの実践」指導が行われました。
パネル展ではC型肝炎や予防接種ワクチンに関するパネル、感染対策関連の医療用品などが展示されました。
手洗いの実践では、スタッフたちが来院した市民に普段通り手洗いして貰ったあと専用の機械で汚れが取れているかを点検しました。良く洗っているようでも機械で見ると爪や親指などに汚れが残っている人が多く、指摘された市民たちは驚いた様子。スタッフに衛生的な手洗い手順を教わり再度手洗いに挑戦、汚れがきちんと取れているかどうかを確かめていました。
予防と検診、ワクチン接種を 福田代議士が講演で強調

講演する福田さん
感染予防講演会は1日と6日に北棟1階NABEホールで開かれました。
1日は午前11時から化学及血清療法研究所の岡本圭司先生が「感染症とワクチン」と題して講演。感染症へのリスクが高い医療従事者は、事前にワクチンを接種して予防を徹底する必要があること。また海外渡航増に伴うワクチン接種の種類などについて分かりやすく説明しました。
6日には福田衣里子衆議院議員(民主・長崎2区)が「日本の肝炎問題」と題しウイルス性肝炎について講演しました。福田さんは肝炎対策推進議員連盟事務局長で肝炎患者の救済や治療環境改善を目指して活動しています。
福田さんは20歳の時C型肝炎への感染が判明しましたが、治療の苦しさや人生への不安など当時の思いを披歴。「肝炎患者への差別や偏見をなくし、過ちを2度と繰り返さないために訴訟で実名を公表した。1人1人予防することが周りのためになる。予防や検診、ワクチン接種に努めてほしい」と強調しました。

廃棄物集積所を巡視する宮元室長(右)ら
職員向けには2日夕に県立福島医科大感染制御・臨床検査医学講座の金光敬二教授を講師に招き「医療従事者のための職業感染防止対策」をテーマにした講演会を開きました。また2・4日には院内感染予防ラウンドを実施し、宮元対策室長や高木光恵感染予防担当看護師長らが計画表にない栄養管理科はじめ病理診断科、廃棄物集積所、診療放射線科、アンギオ室、透視室を巡視。ウイルスなどの感染源になりやすい職員の下足・上履きの管理、医療廃棄物やゴミの分別処理状況などをチェックしました。

福島を元気にしよう講演会

県言語聴覚士会が主催

被災地支援を話合った「福島を元気にしよう」講演会
福島県言語聴覚士会主催の「福島を元気にしよう!」講演会が9月29日(土)午後3時から同病院北棟1階NABEホールで開かれ、全国から集まった日本言語聴覚士協会理事たちが東日本大震災の支援状況を話し合いました。
深浦順一同協会長のあいさつのあと霧島記念病院リハビリテーション科の大山佳世先生が「南相馬市立総合病院における東日本大震災地支援の経験」と題して講演。被災地での嚥下造影撮影検査の手順作成や、言語リハビリテーションに尽した経験などを披歴しました。ついで南東北がん陽子線治療センターの高田彰憲先生が「放射線治療の効果と副作用」と題し放射線治療のメリットとデメリットを分かりやすく説明しました。講演会終了後に陽子線治療センターの見学会も行われました。

大災害用の医療ネット構築を

日本医療マネジメント学会 福島支部で3.11報告会

震災時の対応ぶりが明らかにされた報告会
昨年3月11日に発生した東日本大震災での医療機関の対応と課題をさぐる日本医療マネジメント学会福島支部の「そのとき何がおこったのか」は10月6日(土)午後2時から郡山市のビックアイ7階大会議室で開かれ、福医大など5病院の責任者が災害当時の対応を報告しました。
複数の医療機関が一堂に会して状況や課題を発表するのは県内で初めて。集いには県内の医療関係者ら約150人が出席。山崎繁同支部長のあいさつのあと横山斉県立福医大附属病院副院長、寺西寧南東北病院長、松田信太田西ノ内病院長、樋渡信夫磐城共立病院長、大和田憲司福島労災病院長の5人が震災当時の状況や対応ぶりを報告しました。
ライフラインや通信が途絶え、しかも経験したことがない放射能汚染の不安などで医療関係者の混乱ぶりと対応が明らかにされました。対策本部は直ぐ立ち上げたが災害マニュアルの不備や情報共有の不徹底、生活必需品の備蓄不足、衛星電話など通信手段の確保、行政との連携がバラバラ―などを痛感したという。一時、一部医師や看護師ら医療関係者の避難が相次いだことも明らかにされたが、横の連絡を密にするため県内の医療ネットワークの構築、薬局閉鎖に伴う患者への処方薬対策見直しなどの意見も出されました。
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