広報誌 南東北

第249号

インフルエンザにご用心

12月に蔓延の恐れ、予防接種を

インフルエンザの季節がやってきました。今年はすでに県北地区で流行が始まっており、12月に蔓延する恐れがあるとも予測されています。10月18日に総合南東北病院で開かれた医学健康講座で同病院感染管理担当の高木光恵看護師長が講演した「冬季感染症〜インフルエンザとノロウイルス」の内容を要約して予防法などをおさらいします。
インフルエンザの感染力は強く、わが国では毎年1千万人近くが感染しています。みんなで知って、みんなで注意が大事。日頃抱いている10の質問にお答えします。
【Q1:かぜとインフルエンザの違いは】
▼かぜは鼻水や喉の痛みなど局所症状。通年。インフルエンザは38度以上の発熱やせき、喉の痛み、倦怠感など全身症状。1〜2月がピーク。4・5月の流行も。
【Q2:A型とB型どう違う】
▼A型にはかつてソ連型と呼ばれた(2009年に新型に移行)H1N1と香港型のH3N2の2種。他にB型があるが症状も予防対策も同じ。
【Q3:どうやってうつるの】
▼感染者がせきをしてウイルスを飛散、他の人がそれを口や鼻から体内に吸い込み飛沫感染する。感染者が鼻水などをぬぐった手でドアノブやスイッチに接触、他の人がそれに触りウイルスが体内に入り接触感染する2種類ある。
【Q4:うつらないようにするには】
▼感染経路を絶つ。手洗いの励行。アルコールで拭くのもいい。栄養と睡眠は十分に。11月中旬までに予防接種を。ワクチン効果は一般的に約5カ月。卵アレルギーの人は注意が必要。
【Q5:重症になりやすいのはどんな人】
▼高齢者、子ども、妊婦、慢性閉塞性肺疾患・喘息・慢性心疾患・糖尿病など持病のある人。
【Q6:どんな症状が出たら医療機関に行くか】
▼急に38度以上の発熱やせき・喉の痛み、全身の倦怠感がある時感染の疑い。呼吸困難や息切れ、胸の痛み、嘔吐・下痢が続くなどは重症化のサイン。
【Q7:何科の医者に行けばいいの】
▼内科・小児科、かかりつけ医。マスク必着。
【Q8:どうやって治すの】
▼治療には抗インフルエンザウイルス薬。指示に従い服用。水分の摂取、補給に注意。
【Q9:感染したら気をつけることは】
▼他人にうつさない。家庭内隔離。部屋の換気に注意。マスク必着。5日間は外出禁止。熱が下がっても2日は自宅療養(子どもも解熱後2日は学校を休む)。
【Q10:せきエチケットってどういうこと】
▼せき、くしゃみの飛沫には病原体を含むので気をつけよう―ということ。せき、くしゃみをするときは他の人から顔をそらし、ティッシュなどで口、鼻を覆う。マスクは正しく装着する。
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インフルエンザにはこまめな手洗い、せきエチケット、ワクチン接種が大切で一人ひとりが防ぐ意識を持ちたいものです。医療機関の外来受診や面会時はマスクを忘れずにお願いします。

ノロウイルスにも注意

◎拡大防止にこまめな手洗い◎
秋から冬にかけて流行するウイルス性胃腸炎のノロウイルス感染症も大きな問題。吐いたものを良く拭いておかないとそれが乾燥してウイルスが空気中に飛び散り、あたかも食中毒みたいな感じで集団発生することがあるからです。昨年4月、東日本大震災で郡山市のビッグパレットに避難していた人1886人のうち60人がノロウイルスに感染したことがありました。
原因となるノロウイルスの特徴は@感染力が強い。便や吐物1gに100万個ある。10〜100個で人に感染するA感染経路が多彩B熱や乾燥に強く、アルコールに抵抗性を示す。人から排泄された後も環境になじみ感染力を持ち続ける―などです。
症状は嘔吐、下痢、人によっては発熱、腹痛を伴う。潜伏期間は1〜2日。高齢者や乳幼児は吐物を気管に詰まらせたり(窒息・肺炎)、下痢による脱水がひどいこともある。3日位で回復するが、ウイルスの排泄期間は少なくて1週間。治療薬はなく、水分補給で脱水症状を防ぐしかない。安易に下痢止めを飲まないこと。飲んで病気の回復を遅らせることもあります。感染しても全員が発病するわけでなく軽いかぜ症状で済む人もいるが、調理師や施設・病院勤務者は「体調がおかしい」程度でも注意したいものです。
感染拡大を防ぐには@食事前に石鹸でよく手洗いするA入浴前に体を良く洗う。症状がある時はシャワーのみにするBオムツはビニール袋に入れ密閉C汚物は流水でしっかり流し、85度以上10分加熱かハイター消毒するD排泄物は乾燥する前に手袋・マスク・エプロン着用で処理。吐物や便が付着した床はハイターで10分以上消毒。換気忘れずE蛇口やドアノブも消毒F食用カキは85度以上1分加熱―などを守って下さい。
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