広報誌 南東北

第249号

花粉症関連薬剤

抗ヒスタミン薬は即効性、予防には抗アレルギー薬

秋にはブタクサやヨモギなど雑草類の花粉が飛散します。花粉症とアレルギーに関する薬剤についてお話します。
花粉症は季節性アレルギー性鼻炎、もしくは同結膜炎とも呼びます。スギやヒノキなど植物の花粉が原因(アレルゲン)となり鼻水・鼻づまり、くしゃみ、目の充血・かゆみ、流涙などの症状を引き起こすアレルギー性の病気です。
花粉症を抑える薬にはステロイド剤、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬があります。
ステロイド剤は、人体の副腎皮質で分泌されるホルモンの成分を人工的に作り出した薬剤でヒスタミンによって引き起こされた鼻の粘膜の炎症、目の結膜の炎症を鎮めます。免疫系など組織の反応性を低下させる作用を示し、アレルギー反応も抑える働きをします。効果は非常に強力です。
抗ヒスタミン薬は花粉によって発生したヒスタミンの働きを抑え、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどがひどい時、花粉の飛散の多い日などに即効的な効果が期待できます。すでに出てしまった症状にも効果があるが、持続時間が短く、長時間の効果は期待できません(4〜6時間程度)。
抗アレルギー薬はヒスタミンの発生と放出を抑え、症状を軽くし、症状が出始めるのを遅らせる予防的効果が期待できます。花粉の飛び始める2週間くらい前から飲み始め、シーズン中は切らさず飲み続けるようにします。
薬の服用者全てに副作用が生じるわけではありませんが、比較的頻度の高い副作用に眠気や倦怠感があります。車の運転や高所での仕事には十分に注意が必要です。コーヒーやカフェイン入りのガムなどを活用して上手に対処しましょう。胃のもたれ、口が渇く、痰が切れにくいなどの症状がひどい時、長引く場合には医師・薬剤師に相談下さい。
(薬剤科 中野洸大)
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