広報誌 南東北

第249号

腫瘍マーカー

腫瘍とは体内の細胞の一部が突然、異常分裂してしこりになるものです。良性と悪性があり、悪性腫瘍が「がん」です。がんには多くの種類がありますが、体内に腫瘍が出来ると健康なときにはほとんど見られない、そのがんに特徴的な物質が、大量につくられ、血液中に出現してきます。その目印となる物質の総称を腫瘍マーカーといいます。つまり「がん細胞がつくる物質、またはがん細胞と反応して体内の正常細胞がつくる物質のうち、がんの診断や治療の目印として役立つもの」と定義することができます。
腫瘍マーカーの検査はがんの“ふるいわけ”として行われますが、陽性だから必ずがんがあるわけではなく、また陰性だからといって完全にがんが否定されるわけではありません。腫瘍マーカーのほとんどは、がん以外の病気によっても少量はつくられるため慢性肝炎、慢性気管支炎、結核、慢性膵炎、子宮内膜症などの場合でも血中マーカーが陽性になることもあります。
こうしたことから腫瘍マーカー検査は、画像診断の補助診断に位置付けられています。腫瘍マーカー単独で、がんの存在を診断できるのはPSAマーカー(前立腺がん)など少数だといわれています。
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