広報誌 南東北

第251号

食欲を抑える薬

唯一認可のサノレックス

年末年始にみんなで飲んで食べて、しゃべり合うのは楽しいものですが、食べ過ぎたり飲み過ぎて肥満を気にする方もいらっしゃると思います。肥満によって糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣病が重複したりすると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気に進んでしまいます。過度なカロリー摂取が主な1つの原因ですが食欲を抑えてくれる薬があるのをご存知ですか。
現在日本で認可されているのはサノレックスという薬だけです。満腹中枢を刺激することで食欲抑制作用を示すものですが、主成分のマジンドールが食欲や腸からの栄養吸収を抑え、少しだけ脂肪燃焼を促進するという作用です。効めがあれば75%の人に効果を発揮し、1ヵ月で4kgぐらい減量できるといわれます。
この薬は医療用医薬品のため医師の処方が必要です。BMI値(肥満度)が35以上の高度肥満の人には保険が適用されます。それ以外も処方してもらえますが、自由診療となります。
服用方法は成人なら1錠を1日1回昼食前に経口投与。医師の指導で最高1日3錠服用する場合もあります。依存性などの副作用が指摘されているため投与期間は最長3ヵ月が限度。1ヵ月以内に効果が見られない場合は投与を中止することとされています。副作用を防止するためにも医師の指導に従い、決められた投与期間を守って使用するのが安全です。薬物療法の1つを紹介しましたが、基本的には食事や運動のサポートとして使うのが一番効果的です。健康な体を維持していくには普段からの節制が大切のようです。
(薬剤科 中野洸大)

BMI35以上が保険適用

トップページへ戻る