広報誌 南東北

第254号

睡眠薬

主流はベンゾジアゼピン系

春は環境の変化による精神的ストレスやホルモンバランスの乱れで眠れなくなる方が増えてきます。睡眠薬は心理的葛藤や緊張、不安感、焦燥感、人間関係の悩み、職場・家庭・学校環境でのストレス、身体の病気による苦痛や不快感など様々な原因によって起こる「眠れない苦痛や悩み」などの睡眠障害治療薬です。
現在処方される睡眠薬は大きく分類するとベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系に分かれます。ベンゾジアゼピン系は大脳辺縁系のベンゾジアゼピン受容体に作用、GABA(ギャバ)受容体を介して様々な神経伝達物質の機能を抑える働きをします。副作用が少なく安全性が高い、現在の主流の睡眠薬です。
種類は超短時間、短時間、中時間、長時間の4型。超短時間型は短時間で睡眠の入りを良くする薬。効果は3〜4時間でハルシオンなどがある。短時間型は入眠困難、寝つきが悪い人に適し効果が超短時間型より少し長い5〜6時間でレンドルミン、エバミールなど。中時間型は寝つきが良いものの途中で目が覚めてしまう人に適した睡眠維持目的の薬で効果は7〜8時間。ユージロンなどがある。長時間型は長くゆっくり眠れることが目的の睡眠薬でネルボン、ドラールなどがあります。
副作用として薬の効き目が翌日に持ち越され、眠気やふらつくこともあるため車の運転や転倒に要注意。昔は依存性が強く危険性もありましたが現在の睡眠薬には依存性はありません。ただ長く服用したあと急に止めるとかえって眠れなくなるので医師の指示に従い服用しましょう。
(薬剤科 中野洸大)

副作用少なく安全性が高い

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