健康注意報
 
花粉症
 

セルフケアとともに 症状緩和には早めの治療を
 
 花粉症の方には辛い季節がやってきます。その原因は複雑で、約8割がスギ花粉症であることから、スギの植林事情が影響しているとも言われていますが、初夏はイネ科の花粉、秋はブタクサの花粉といったように季節による違いもあり、地球温暖化の影響や免疫力の異常、自動車など文明の進化に伴う現代病などとも言われるようです。昔は聞かなかった病気ですから、やはり文明病のひとつと言えるのかもしれません。
 それにしても
くしゃみ、鼻づまりや目のかゆみなど、症状の辛さは我慢できません。ひどい場合には不眠などの症状を引き起こすこともあります。花粉症シーズンを迎え、いよいよ健康注意報発令です!

 
なぜ花粉症は起きるの?
 花粉症とは、本来は害のない花粉を体が有害なものと勘違いして、くしゃみや鼻水などで体外に出そうとするアレルギー反応の一種です。アレルギー反応は、花粉に含まれる「抗原(アレルゲン)」に対する「抗体」ができることで起こります。この抗体は、鼻や目の粘膜にある「肥満細胞」と呼ばれる細胞と結合しやすい性質があります。肥満細胞の表面についた抗体と、入ってきた花粉が結びつくと、肥満細胞から、「ヒスタミン」「ロイコトリエン」「サイトカイン」などの刺激物質が放出されます。それらの刺激物質が知覚神経や炎症細胞、血管などに作用して、さまざまな花粉症の症状が起こるのです。
 
治療法は3つ
1)予防療法/花粉療法では最もポピュラーな治療です。飛散が始まる2週間前からアレルギー反応を抑える薬を服用する方法で、花粉症が出にくくなります。
2)対症療法症状が出てから行う治療で、その時の状態により服用する薬が変わります。花粉の種類や即効性、副作用の強弱などで薬が異なります。
3)根治療法薄めた花粉エキスを数回に分けて注射して身体に免疫をつけさせる方法です。減感作療法といわれるこの療法は徐々にエキスの濃度を高め、身体を慣らすことにより花粉に反応しにくくしていきます。体質を改善するので効果が期待されますが、数年かかり通院回数も多いので重度の患者様か、薬の効きにくい人が対象となります。
 
セルフケアについて
 セルフケアで重要なのは、花粉を自分に寄せつけないことです。外出時にはマスクとゴーグル、または眼鏡をつけ、花粉がつきにくい服装を心がけましょう。外に干した衣服や布団も、花粉をよく落としてから部屋に入れましょう。
 また、家庭でできる治療として、蒸しタオルを使った温熱療法があります。蒸しタオルで鼻を温めるこの方法は鼻の粘膜の、ゴミなどを外へだす役割を果たす線毛を活発化させ、鼻の通りをよくします。
 眼のかゆみがひどいときには、やや冷えたタオルを数分、閉じたまぶたにのせてあげると、かゆみが和らぎます。
 
 
総合南東北病院では、花粉症治療で有名な今野昭義先生が診療にあたっています。
 
今 野 昭 義(こんの・あきよし)

(財)脳神経疾患研究所 附属 総合南東北病院
アレルギー・頭頚部センター所長
今野先生は前千葉大医学部教授で花粉症、アレルギーの分野で我が国有数のドクターです。NHK教育テレビ「きょうの健康」出演でも知られています。
〈専門〉鼻アレルギー、頭頚部腫瘍、睡眠時無呼吸症候群
  
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