国内民間初!がん治療の最先端装置
陽子線治療装置の設置が始まりました。
 
現実化するがん撲滅の医療
回転ガントリー
 
 来年10月にオープン予定の「南東北がん陽子線治療センター」の建設工事が順調に進んでいます。建物はほぼ出来上がり、4月には陽子線機器の搬入が始まりました。同月半ばには直径10メートル、総重量200トンという回転ガントリーなどの搬入が進められ、民間病院では日本初となる「陽子線がん治療」への関心と期待の声が高まっています。
 「がん撲滅へ向けた医療を通して社会に貢献していきたい」とする渡邉一夫理事長の理念の下、(財)脳神経疾患研究所ではPETによるがんの初期段階での発見と治療に取り組んできましたが、「陽子線治療」は、切らずに、苦痛なく、外来で治せる21世紀のがん治療とも言えるものです。これによって当財団は東日本地域におけるがん治療の中心的役割を担うことになります。
陽子線治療の仕組みと特長
 陽子線治療とは、陽子(水素原子から電子を除いた原子核)を用いた「粒子線治療」のひとつです。シンクロトロンと呼ばれる加速器で、陽子を光速近くまで加速して、がんに照射します。
 粒子線が体内に照射されると、粒子線からエネルギーを受けた部分の細胞を構成している原子から電子がはぎ取られます。電子がはぎ取られることによって、がん細胞は損傷を受けます。
 病巣に的を絞ってピンポイントで狙い撃ちできるため、正常細胞を傷つけず、副作用を極力抑えられるとともに、大きな治療効果が得られ、理想のがん治療として実用化が待たれてきました。
 その特長はある深さにおいて最大の作用をすることにあります。そのために周辺組織に影響を及ぼさず、がん病巣を焦点化して十分な線量を照射する治療が可能となるわけです。
 実際の照射は1〜2分程度。不快感や苦痛もほとんどありません。

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