PET健診 聞き語り体験記
めまいと鼻腔の違和感からPET(ペット)を受診 がんが原因ではないことが分かる。

69歳 男性 (縫製業)
 
全身の画像診断で知った
自分の体のウィークポイント

 
 めまいと体のふらつき、そして目の奥の違和感から疑ったがん。奥様が参加したPET公開講座でPETの情報を得ていたことから、総合南東北病院で受診してみることにしました。結果はがんが原因ではないということでしたが、同時に受けたMRI、CT検査で軽い脳梗塞と肺の石灰化が見つかりました。思わぬ発見に、あらためて健康管理の大切さを実感されているそうです。
目の奥の違和感とめまいに悩まされる
 PETの存在を知って、実は昨年の10月、妻と二人で受診するつもりだったんです。ところが、その時は体の具合も特に悪くなかったので、私は受診するのを止めてしまいました。けれどもやはり受けておいた方がいいかなと思い、友達と今年の10月に申し込むつもりでいたんですが、そうこうしているうちにめまいと体のふらつきが始まってきたんです。目の奥というか、鼻の奥あたりに何か溜まっているような感じもあった。最初はほかの病院の耳鼻科で診察を受けたんですが、原因は分からない。MRIを撮って脳の断面を見ても異常はないという。そこで急きょ7月に総合南東北病院に行って前倒しでPET健診を受けることにしたんです。がんという可能性もありましたから。
 診断の結果、鼻の奥の違和感は副鼻腔炎ということで、がんではありませんでした。蝶形洞手術というそうですが、全身麻酔をして内視鏡で手術をしました。PET画像を見ると鼻の奥に2つ赤い反応が出ていて、膿のようなものが固まっていたのかな。それを除去していただいた。
 手術後は一週間も経たないで退院してきました。あっという間で驚きましたね。手術をした次の日あたりから、もう食事も出ました。あまり食欲はなかったんですが、食べないと点滴になるので、頑張って食べました。食べないと体力も落ちるでしょ。手術なんていうことになって、妻もずいぶん心配したようですが、あっけなく退院になったし、がんが原因ではないということで、家族一同ほっとしています。
 ただ、めまいや体のふらつきの症状はどうも別の原因らしいんです。年齢的なものが原因することもあって、運動を取り入れてみて改善することもあるらしい。
全身のチェックで見えてきた体の状態
 実は、PET健診のメニューのなかで、MRIやCTの検査も受けたんですが、頭に小さな脳梗塞が見つかりました。古いものらしくて、めまいなどの症状は直接それが原因しているということではないようなんですが、神経内科に通いながら、経過を見ていくことになっています。
 また、昔の仕事の影響だと思いますが、アスベストが原因の肺の石灰化がみつかりました。これも随分古いもので、特に影響はないだろうと思いますが、気をつけていきたいと思っています。
 それと、大腸に小さなポリープの疑いがあるということでした。これについては少ししたらあらためて検査してもらうことにしています。
 副鼻腔炎の方は主治医が今野昭義先生で、花粉症でも日本の第一人者だそうですから、そっちもお願いするかもしれない。花粉症もひどいんですよ(笑)
頭部MRI画像
矢印部分に小さな脳梗塞が見られる。
胸部CT画像
肺の石灰化が矢印部分に見られるが、
日常生活に支障はない程度。
あらためて思う健康管理の大切さ
 思いがけず全身を検査する機会を得て、自分の体の状態をいろいろとチェックして頂くことができました。なかなか素人には目で見ても分からないけれど、最新の医療機械の進歩には驚いています。撮影画像を見ながら、ここに小さな脳梗塞が見られます、と説明をされると、本当に体をいたわらないといけないと思いますよね。自分では脳梗塞の自覚なんてなかったですから。
 煙草は2年くらい前に止めました。アルコールはもともとそんなには飲まなかった。以前から健康のことは妻が大分注意してくれていましたが、あらためてそのありがたみが分かります。今回高脂血症や糖尿病などに気をつけるように指摘を受けたりもしていますから、食事にも一層注意していきたいですね。やはり健診は大事です。つくづくそう思う経験をしました。
 疲れを起こさない程度に、これからも縫製の仕事は続けていくつもりです。ただ、夜眠れなくなってきたり、年齢を重ねると、いろいろなことが起きてきますね。体のふらつきもありますから、今は転んだりしないように注意しています。高齢者には転倒事故が多いそうですし、病気が治っても、転んで寝たきりになったりしたら元も子もありませんしね。
全身PET画像(左)と大腸の拡大写真(右)
矢印の部分に検査薬剤の集積が見られるが、生理的な集積の可能性が高い。
機会を見て大腸検査を行うことが望ましい。
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