蕎麦の実を楽しむ
世界の料理に挑戦

おいしい食卓

 
 そばには、動脈硬化の体質改善に効果のあるルチンが豊富に含まれていることは、本紙でも何度かご紹介してきましたが、“丸抜き”と呼ばれる玄蕎麦から殻を除いた蕎麦の実にも、当然同じ効果があります。
 馴染みの薄い蕎麦の実ですが、最近では、自然食品を扱う店などで手に入りやすくなりました。今回はこの蕎麦の実を使ったロシア伝統の家庭料理「カーシャ」に挑戦してみたいと思います。
 
ロシアの蕎麦料理を試してみる
 「いなかのおばあさんの家では、朝は必ずこのカーシャを食べます。子どもの頃は、あまり好きではなかったのですが、今では体のことも考えて、毎朝自分でつくって食べています」。ロシアからの留学生、ミラさんのお話です。今回作り方を教えて頂いたカーシャは、モスクワに近いミラさんの故郷の味。水分の少ないピラフのようなイメージです。
 「カーシャは、バターをのせて食べるほかに、サワークリームや、甘いジャムを乗せたりと、自分の好みで味付けをして食べます。肉を入れてつくるものもあり、通常は黒パンやボルシチなどと一緒に食べますが、日本人には馴染みの少ない味かもしれませんね」。

カーシャをつくるミラさん
 
日本の蕎麦粥と比べてみると?
 折角ですから、日本の蕎麦粥も一緒に作って食べ比べてみることにしました。蕎麦粥(1人分)は、50g程の蕎麦の実を350tの水に30分位浸しておき、10分程強火で沸騰させます。その後弱火にして20分程炊けば出来上がり。味は塩で整え、梅干しや佃煮などをのせて頂きます。
 同じ蕎麦の実を使う料理でも、ロシアのカーシャと日本の蕎麦粥では、全く違った味覚を楽しめます。ミラさんによれば、意外にも日本の蕎麦粥はとても懐しい味だそうです。両者を食べ比べ、食文化の違いと不思議な共通点を味わってみるのも楽しいですよ。

日本の蕎麦粥
簡単にできる蕎麦の実料理を召し上がれ!
ロシアの家庭料理カーシャ
材料(2人分)
蕎麦の実 250g
小さじ1
2カップ程度(適量)
バター 適量
牛乳 適量
*味付けの塩やバターの分量に決まりはありません。
バターの他に、お好みでジャムをまぶして甘くしたり、
サワークリームを使うこともあります。
作り方
蕎麦の実を洗い、分量の塩と水を入れて火にかける。
(あらかじめ蕎麦の実を軽く炒ってから水洗いし、調理してもよい。また、塩と一緒にバターを大さじ2程度入れて火にかけてもよい)
水分が無くなったら、水をつぎ足しながら、柔らかくなるまで煮る。
お皿に盛ったら、上にバターを乗せ、まぶしながら食べる。牛乳を入れて食べるのが普通だが、スープで煮込んだり炒めたりした肉を入れて食べてもよい。



◎献立・解説/総合南東北病院栄養管理科・老健ゴールドメディア栄養管理料・
総合南東北福祉センター栄養管理課・老健リハビリ南東北川俣栄養管理課
 
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