健康注意報
 
うつ病について
 
早めの治療で治る病気です。
 うつ病の恐ろしさは、症状が悪化すると、自殺にも結びつきかねないところです。自殺した日本人の多くの方が、うつ病だったという指摘もあるようです。どうしたら最悪の事態を未然に防ぎ、うつ病を乗り越えることができるのでしょうか。
 
 現代社会には、ストレスによって心身に何らかの不調を感じている人が少なくありません。とくにうつ状態になる人は年々増加していると言われています。  
 最近では、うつ病に対する理解も広まり、「うつ病は『怠け』とは違う」とか、「うつの人に頑張れと言わないほうがよい」という知識を持つ人も多くなってきました。  
 ところが、うつ病の治療を受けている人の数は、さほど増えていないようです。血圧などのように明確な数値に現れるわけではありませんから、どうしても気づくのが遅くなりがちになってしまうのです。うつ病は心や体のサインに早めに気づき、専門の医師に相談することが大切です。
 
 
”心療内科”や”精神科”で早めにご相談を!
◎うつ病のサイン…精神症状
憂うつ感/日常生活にも支障が出るような強い憂うつ感があり、2週間以上の長期にわたって続く。悲観的になり、自責感や劣等感が強くなる。
意欲の減退/これまで楽しんでいたことが楽しめず、集中力もなくなり、人と会うことを避けるようになる。
   
◎うつ病のサイン…身体症状 
睡眠障害/朝早く目が覚めてしまったり、寝つきが悪くなり、何度も目が覚める。
食欲の低下/食欲がなく、食べても味が感じられない。
倦怠感/疲れやすくなり、動作が乏しく、またゆっくりになる。
不定愁訴/身体の病気がないのに、頭痛、吐き気、寒気、手足のしびれ、肩こり、下痢・便秘などの症状がある。
 
 憂うつ感と意欲の減退はうつ病の中心的な病状です。また、これらは朝に強く現われ、夜になると和らいでいくという特徴があるようです。  
 うつ病は大人だけでなく、子どもにも増えています。子どもの場合、憂うつで気分が沈んでいるというよりも、むしろイライラ感という形で症状がでることが多いようです。  
 本人の苦しみは外から見えにくいため、家族は励ますなどの対応をとりがちですが、本人にとって過度のプレッシャーになるため、控えたほうがよいでしょう。上手に子どもの話を聞き、つらさに共感してあげられるようになることが大切です。
 
うつ病の治療について
 うつ病の治療は「十分な休養」と「くすりによる治療」という二つの柱で進められます。また、考え方などを見直す「精神療法」を組み合わせた治療が行われることもあります。  
 うつ病になると、脳の神経機能が異常をきたすようになるため、抗うつ薬を用いて、脳内の神経伝達物質の量を保つようにします。そのほか、抗不安薬や睡眠薬が用いられることもあります。  
 自殺との関係では、重症期よりも回復期に危険性が高くなる傾向がありますから、家族をはじめ、周囲が注意深く見守ることが大切です。
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