世界の料理を楽しむレシピ
夏バテ防止にも効果!

おいしい食卓


 
酸味爽やかな冷製トマトスープ
スペイン風ガスパッチョGazpacho
 
 日本のトマトと世界のトマト、その大きな違いにお気づきでしょうか。一番の違いは色合いです。地中海沿岸などの真っ赤なトマトに比べ、桃太郎などの日本のトマトはピンク系なのです。  
 これらの品種は、主に生食用に栽培されているもので、日本人が好むように品種も改良されています。一方、トマトジュースなどに加工するトマトは、日本でも赤系の品種を使い、栽培方法なども違っています。着色料を使ってジュースを赤くしているわけではありませんから、どんどん料理にも利用したいものです。  
 赤い色の正体はリコピンです。抗酸化作用を持つことで有名になりましたが、このリコピンを多く含むトマトは、動脈硬化などの生活習慣病予防に効果的です。酸味も爽やかな冷たいトマトスープで、食欲不振、夏バテ対策にもお役立て下さい。
 
トマトベースの簡単スープ
バリエーションにも挑戦を!
 ガスパッチョは、トマトベースのスペイン風冷製スープ。火を使わない生野菜のスープですから、ビタミンやミネラルの補給にも最適です。“いのちのスープ”で有名な料理文化研究家、辰巳芳子先生も、著作などで紹介しておられるヘルシーなスープです。  
 発祥の地はスペイン南部のアンダルシア地方。この地方を支配していたアラブ系の料理に起源があるそうです。スペインの家庭では、薄めに作り置きし、冷蔵庫に冷やしておいて、ごくごくと飲む…。そんなイメージがあるようです。  
 似た感じのスープに、同じアンダルシア地方、コルドバの名物、サルモレホがあります。作り方も似ていますが、こちらは野菜はトマトだけ。パンは多めに入れて、ニンニクを効かせた、よりこってりしたスープです。  
 やはり夏、冷やして頂くのですが、ガスパッチョが飲む感覚なのに対して、サルモレホはトーストなどに塗って食べることもあり、より水分の少ないペースト状のイメージでしょうか。  
 自分好みに味付けなども工夫して、ガスパッチョとサルモレホ、ぜひ食べくらべしてみて下さい。
 
サルモレホ Salmorejo
ガスパッチョに比べると、トマト味の冷たいパン粥といった印象のスープ。ゆで卵と生ハムをトッピングして食べます。
  
 
スペイン風ガスパッチョ Gazpacho
材料(4人分)
[スープ]
トマト(完孰) 4〜5個
キュウリ 1/2本
ピーマン 1/2個
タマネギ 1/5個
セロリ 1/2本
ニンニク 1/4片〜1/2片
バゲット 2cm厚を1きれ
水またはトマトジュース 約200cc
赤ワインビネガー 大さじ1
オリーブオイル 大さじ2
塩・コショウ 適量
※トマトはホールトマトでも代用可
 
[つけ合せ] 別の小皿に用意します
ガスパッチョは、トマト、キュウリ、ピーマン、セロリ、レタスなどの野菜とバゲット。
サルモレホの場合はゆで卵、生ハムとバゲットを用意。



作り方
すべての材料を小さく切り、オリーブオイル、ワインビネガー、調味料などと混ぜ合わせ、ミキサーにかける。一度ざるなどで濾し、水またはトマトジュースで滑らかさ(とろみ)を調整する。塩、コショウなどで好みの味に整え、さらにミキサーにかける。冷蔵庫で1時間ほど冷やして完成。 サルモレホの場合は、パンとニンニクを多めにし、使う野菜はトマトだけ。とろみを強めにし、トマト味のパン粥のような仕上がりを目指します。
つけ合わせの材料を小さくさいの目に刻む。好みで入れる浮き身として小皿に盛り、スープに添える。 ガスパッチョの場合は、どちらかと言えばあっさり味で仕上げるのがコツ。両方のスープとも、バゲット(パン)などを浸しながら頂きます。
 
 
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