陽子線治療を知るために
http://www.southerntohoku-proton.com/
 
がん、陽子線治療についての質問と回答から
 
 
 
切らずに、通院で、仕事をしながら治療できる…。究極のがん治療と言われる陽子線治療への関心が高まっています。全国各地で開催されている『陽子線市民公開講座』も盛況で、会場の皆さんからは陽子線治療の一般的な特徴から、ご自身の症例を踏まえた具体的な治療法に関するご質問まで寄せられているようです。今回はそうしたご質問のなかから、比較的一般的な内容についてまとめ、Q&A形式でご紹介いたします。
 
Q.1南東北がん陽子線治療センターオープンにあたっての治療予約の受け付けについて
 今年10月19日のオープンへ向けて、南東北がん陽子線治療センターでは着々と準備が進められています。
 センターには、陽子線ビームの照射室が3室あり、10月のオープン時にはまず1室が稼働し、前立腺がんの治療が開始される予定です。  
 前立腺がんについての予約は既に一部受け付けを開始していますが、それ以外のがんの陽子線治療の受け付けについては、総合南東北病院ホームページなどを通して、順次ご案内する予定です。総合南東北病院ホームページアドレスはhttp://www.minamitohoku.or.jp/。Googleなど検索エンジンから「総合南東北病院」でも検索可能です。  
 なお、陽子線治療にあたっては、適応の可否等について十分に検討することが必要です。総合南東北病院、または各医療機関で主治医の先生に、まずはご相談下さい。  
 南東北がん陽子線治療センターにお問い合わせ頂く場合の詳しい方法等については、現在準備中です。  
 
Q.2重粒子線と陽子線の適応上の違いについて 
 重粒子線(炭素イオン)と陽子線(水素イオン)はともに粒子線治療に使われますが、それらの対象例の約8割位は同等の効果が期待できるのではないか、と考えられているようです。一般に骨肉腫の場合は重粒子線の有効性が指摘されています。
 
Q.3陽子線治療にかかる期間と通院治療について
 治療期間はがんの種類や病状により異なります。前立腺がんの場合は概ね37回のビーム照射となり、約2ヵ月間を要します。肺がんや肝臓がんは2週間ないし4週間。治療は基本的には外来通院となり、治療中も特に日常生活上の制限はありません。泊まりがけで、という方は近隣のホテルなどをご利用頂くことになります。
 
Q.4一回の治療にかかる時間は
 照射そのものは1〜2分間程度ですが、照射にあたっては、ビームを正確に病巣部に命中させるための位置合わせに時間がかかります。治療室に入ってから出るまでの時間はおよそ20〜40分です。
 
Q.5治療費はいくらかかりますか
 先進医療施設認定までは、自由診療となります。300万円が一連の陽子線治療にかかる治療費として予定されています。
 
Q.6治療中の痛みや、髪の毛がぬけるような副作用について
 陽子線治療中の痛みは、基本的にありません。その他の副作用についても、従来の治療法に比べ少なく抑えることができます。
 
Q.7どのようながんに効果があるのですか
 陽子線照射の有効性が確認されている代表的な疾患は、前立腺がん・肝がん・肺がん・頭蓋底腫瘍・頭頚部腫瘍(上咽頭がん、副鼻腔がんなど)です。  
 これらの多くは、外科手術や従来の放射線では治療が難しかったものです。このように、これまでなかなか効果があがらなかったがんに対して、陽子線照射は優れた治療成績を示すことが明らかになりつつあります。  
 また、各地で臨床試行が実施されるなかで、将来的には陽子線照射の適応範囲が拡大されていくことが期待されています。  
 ただし、すべてのがんが陽子線治療で治る、というわけではありません。「陽子線治療の基礎知識」及び、下表「南東北がん陽子線治療センターで治療出来るがん」として掲載した通り、陽子線にも得意ながんと不得意ながんがあり、転移の有無や大きさ、進行期によっても制限されることになります。
 
Q.8以前に放射線治療を受けたことがある場合、陽子線治療を受けることができますか
 以前に放射線治療を受けた範囲と同じ場所に陽子治療を行うことはできませんが、離れた位置の場合には治療可能な場合があります。放射線治療を受けた医療機関にご相談下さい。
 
 
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