南東北がん陽子線治療センター
オープンにあたって

 
 
 
 がんは細胞の突然変異と考えられています。年齢が高くなると、細胞の制御が効きにくくなり、がん細胞は勝手に増えてしまいます。原因は遺伝子の傷と考えられており、そのうちに宿主まで殺してしまうのです。  
 日本では1年間に約65万人ががんになり、そのうちほぼ半分の方が命を失っています。今後、高齢化社会が進むと、がんにかかる方はますます増えていくでしょう。  
 まさに国民病と呼ばれるがんですが、科学技術の急速な発展は、PET(ペット)をはじめとする画像診断に目覚ましい進歩をもたらし、がんの早期発見に大きな力を発揮しております。  
 こうした発展は、治療分野においても例外ではありません。現在、がんの標準治療には、外科手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療がありますが、このなかでも、とりわけ放射線治療の分野は、技術革新とともに新しい時代を迎えつつあります。  
 陽子線(粒子線)治療はその最先端に位置するものです。超一流の外科医のメスに匹敵する切れ味を持ちながら、低侵襲で、周辺組織に影響する確率も極めて低く、高いQOL(Quality of life:生活・人生の質)を維持してくれます。      ご挨拶
南東北がん陽子線治療センター
センター長 不破 信和
   
 南東北がん陽子線治療センターは、国内の粒子線治療施設としては7番目、民間医療機関としては初めての施設です。世界を見渡してみても、こうした粒子線治療施設はまだ30数カ所に過ぎません。  
 当センターでは、去る10月17日に最初の前立腺がん治療を行いました。今後は徐々に治療部位を広げ、がん治療学の発展と、進行肺がんへの適応などを含めた治療成績の大幅な向上にも寄与していきたいと考えております。  
 また、がん治療においては精神的なサポートも重要です。私たちは、患者様がリラックスして治療を受けられるよう、民間病院としての長所を生かし、QOM(Quality of mentality:精神の質・心の元気)にも配慮した医療施設を目指していく所存です。    
 隣接する地域がん診療連携拠点病院『総合南東北病院』や、高度診断治療センターである『南東北医療クリニック』とも一体となり、世界に開かれた民間初のがんセンター≠ニして、充実した医療システムを構築してまいります。  
 皆様のご指導、ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。  
 
南東北がん陽子線センタースタッフとともに
陽子線治療は専門の物理士や放射線技師、看護師などと、放射線治療医がチームを組んで行います。  
   
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