NOTE&ノート
気になる情報・ホットな話題から 
健康長寿を実現するために
 
 

ンピンコロリ(PPK)、という言葉を聞いたことがあるだろうか。医療費を低く抑えながら長寿を維持してきた長野県への注目から使われるようになった言葉だ。元気に暮らして天寿をまっとうしたい、というのは誰もが願うところだが、07年度版厚生労働白書でも、「医療費の適正化を推進していく上で一つのモデル」として絶賛している。  
 その要因について、国民健康保険中央会が厚生省(当時)に委託し、なぜ長野県は医療費が低いのに長寿県なのかを研究、分析したことがある。その結果は97年に一般書にもまとめられたが、食生活や県民性などが明らかになったものの、決定的な理由は得られなかったようだ。  
 医療費削減という国の思惑は別にしても、健康長寿を促す地域的な特長がもしもあるなら、参考にして健康づくりにも役立てていきたい。
島県の場合はどうだろうか。県のシンクタンクがまとめた老人医療費を市町村毎に比較調査したレポートがある(注1)。それによれば、一般に高齢になるにつれて医療費は膨らむ傾向が見られるものの、膨らみ方は県全体で一様ではなく、やはり地域差があるらしい。福島県の場合、一人あたりの老人医療費(総額)が最も高い自治体と、最も低い自治体では2.16倍の開きがあるというのだ。地域差は数字だけで簡単に比較できるものではないが、同レポートでは、高齢者就業率が高い市町村や、基本健診受診率が高い市町村の場合、1人当たりの老人医療費は低くなる傾向を指摘する。  
 どうやら、高齢者が生きがいを持って適度に働ける環境や食生活の改善、地域全体で健康意識を高めていくような地域づくりが医療費抑制のカギらしい。これに予防医学や検診を上手に利用することが健康長寿への道なのかもしれない。
 
注1)シンクタンクふくしま「老人医療費抑制に向けた取組みについて」(08.3.13)。
同組織は、地域の視点に立った政策研究および提言などを目的として、福島県と県内全市町村、関係機関が一体となって設立した調査研究機関。現在は(財)ふくしま自治研修センターに統合。
トップページへ