南東北がん陽子線治療センター
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手術もできない進行がんが消える陽子線治療のポテンシャル
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これまでの治療では治らなかったがんが消える…。昨年10月の治療開始から7カ月、南東北がん陽子線治療センターでは、すでにそんな難しい症例の治療が行われているという。
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ある男性患者は5年前、別の病院で食道がんの手術を受け、その後再発が見つかった。
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再発した食道がんの近くには気管があり、手術は危険なため化学療法しかないと言われた。しかも、がんは小さくなるけれども、なくならないだろうと…。
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ところが、陽子線治療を受けた結果、わずか1カ月でがん細胞は消滅したという。治療には痛みもなく、陽子線の照射を受けているという特別な違和感もなかった。
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南東北がん陽子線治療センターを取材したあるテレビ番組で紹介された症例だ。
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『陽子線治療は日本人に多い肝臓がんや頭頚部のがん、食道がん、あるいは進行肺がん、そのような方に対しても非常に有効だろう、と考えています』
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そうコメントする不破信和センター長の言葉に触れ、陽子線治療というがんの新しい治療法に関心を持たれた方も多い。放送は予想を上回る反響があり、センターには患者さんや家族の方から多くの相談や問い合わせが寄せられているという。
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独自の取り組みも積極的に進めながら、がん治療の前進に努める不破信和先生をお訪ねし、陽子線治療の現状をうかがった。
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照射後
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照射前
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Ⅰ期肺癌 6.6GyE×10
集中度が極めて高い陽子線の特徴を示す線量分布
がん以外への副作用を極力抑えることができる
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肺線維症のある症例の放射線治療前後の比較
上記画像に示される通り、これまでの放射線治療では、がん以外
にも放射線が当たってしまい、副作用で死亡する例もある
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集中度が極めて高い陽子線の特徴
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陽子線治療を知る上で、まず、陽子線の特徴を理解してほしいと思います。これは粒子線のひとつで、通常の放射線に比べて極めて集中度が高いのです。
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従来のリニアックではがん以外の部位に放射線が当たるのは避けられませんでした。放射線が肺や心臓に当たってしまい、がんはなくなっても患者さんの1割くらいの方は放射線肺炎や心不全などの副作用で命を失っていたのです。ところが陽子線は副作用もかなり減ります。
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ブラッグピークという特徴も固有のものです。陽子線は体の内側のある深さのところでエネルギーを最大限に発揮するようにコントロールできるのです。これまでの放射線は体表面に近いところから次第に減弱し、正常細胞に影響を与えながら肝心のがん病巣に辿り着いたときには十分なエネルギーが得られませんでしたが、陽子線はそれとは反対に大きな効果が期待できるのです
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その結果、手術もできないようながんでも、副作用を抑えながら、体にメスを入れずに、がん細胞のDNAだけをダイレクトに切断し、外科手術と同じか、場合によってはそれ以上の治療効果が得られるという。
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陽子線治療の症例から
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「実際の症例についてお話しましょう。頭頚部がんのひとつ、食道がんのケースです。
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ほかの病院で放射線と抗がん剤治療を受けて、それでもがんが明らかに残ってしまう症例でした。通常の放射線治療予定の3分の2までやって、そのあとにセンターで受け入れ、陽子線治療をしたわけです。治療が終わってもう3カ月経っていますが、検査で異常なし。寛解と言っていいと思います」
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ほかの施設に比べて食道がんの症例が多いのが南東北がん陽子線治療センターの特徴でもある。
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一般に陽子線が得意ながんとしては前立腺がんが第一に挙げられることが多く、世界的に見ても適応症例の4割を超えるほどだ。しかし南東北がん陽子線治療センターでは、前立腺がんが占める比率は地理的条件から多くないのが現状であるという。
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「今、2割くらいが前立腺がんで、3割くらいは頭頚部がんですね。しかも頭頚部がんは圧倒的に進行がんが多いんです。前立腺がんの場合は比較的軽い方が多く、外来でできる。ところが頭頸部がんで進行がんの方は、動注化学療法を用いるケースも多く、簡単な治療ではないんですね。これは毎週土曜日、月に8例くらいやっています」
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動注化学療法との併用療法は、南東北がん陽子線治療センター独自の取り組みのひとつである。舌がんの治療にあたって、首の動脈から舌の局所に抗がん剤を入れてがんだけに効果を最大限に集中させ、同時に中和剤で解毒する治療法だ。これまでは通常の放射線治療を併用していたが、代わりに陽子線を用いることで一層高い治療効果が得られるという。
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「愛知県がんセンターでは舌を全部とらないといけないような状態の舌がんも治療しました。ところが通常の放射線だと、がんは治るけれども、下顎、歯、全部に放射線が当たり、歯がぼろぼろになってしまうのです。陽子線は舌がんだけに集中できて、歯にも影響なく治るんです。患者さんの中にはしゃべることが職業の方もいました。舌を失うわけにはいかない。QOLの確保は重要なテーマです。そういう方にとって、動注化学療法と陽子線治療の併用は極めて効果的だと言えるのです」
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従来の治療法と陽子線治療を組み合わせることで、がんの治療成績が大幅に改善される一例である。
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陽子線治療後 2.2GyE×15回後
陽子線治療後、がんが消えているのが分かる
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陽子線治療前 化学放射線治療(40Gy)後
上記画像左下ががん
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「将来的にはⅢ期の進行肺がんも治療可能になっていくだろうと考えています。ほかにも肝臓がんの場合なら、免疫療法との併用治療というのは、ひとつの組み合わせとして有効ではないかと考えています。
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これまでにここで治療した方の年齢は最高が96歳です。陽子線治療は体への負担が少ないのです。90歳以上の方は二人で、ともに頭頚部がんです。下は13歳の中学生で脳腫瘍でした。
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いろんな臓器に転移がある場合は、残念ながら適応はありませんが、こうした治療が可能であることを理解してほしいと思っています。がん治療の選択肢のひとつとして陽子線治療の適応を検討することは、これからのがん治療を考える上で大きな意味を持つことになるでしょう」
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陽子線治療の現状
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陽子線治療は最先端の科学技術を駆使した新しいがん治療法である。そのポテンシャルは高く、がんの治療成績が大幅に向上する可能性が強い。ところがその治療施設は少なく、陽子線に重粒子線を含めた粒子線治療施設は、国内でも6ヵ所に過ぎなかった。しかも7ヵ所目の施設としてオープンした南東北がん陽子線治療センター以外は、すべて国公立の施設である。その理由は建設と運用に巨額の資金が必要とされるためであり、それが普及への足かせとなってきたのだ。
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そのため、がん患者が陽子線治療を受けるためには、これまでは関東や関西の施設を訪れるしかなかった。南東北がん陽子線治療センターは、北海道、東北において初めてつくられた施設で民間の運営だが、がん治療という医療の公益性の視点から寄せられる期待も大きい。オープン以来、不破センター長をはじめ、医師や技師、職員たちが一丸となって治療に集中する毎日だ。
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当初の予定に比べ、患者数は2~3割増し。患者の出身地別統計を見ると一番多いのは福島県で、全体の6割を占めている。
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「予定したよりも患者数が多いということなんです。けれども採算性ということになると、年間500人の治療をして、ようやく成り立つか、という医療です。現在は6時半までの診療ですが、夜10時までやったとしても年間700人が限界だろうし、700人やるというのは大変なことなんですよ。これからは二交代制も検討せざるを得ないのですが、放射線治療医や物理士など、特殊な専門職が不可欠であり、簡単ではないのが現状です」
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食道がんに対するリニアックの線量分布
Conventional 2D-planning 40Gy
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食道がんに対する陽子線治療の線量分布
2.2GyE×15
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患者利益の視点に立ったがん医療の充実を
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陽子線治療は早期がんだけが対象ではない。陽子線治療でなければ治らない症例もあり、進行がんの治療にも効果は高い。
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「医師の皆さんに陽子線治療について理解していただくことが、患者さんの利益にも繋がります。
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現在、いろいろな窓口からも患者さんの相談をお受けしているのですが、医師の診断や検査を前提にしたお話ができないため、直接受診をしていただくか、主治医の先生を通して相談をしていただかざるを得ないのが実情です。そのためにも医療関係者の方には、セカンドオピニオンの制度も積極的に活用していただけるようお願いしたいと思います。患者さんの希望だけではなくて、医学上の見地から適応を決めないといけないわけですから。
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そうした点で、東京クリニックの存在は有意義です。メールなどでお問い合わせいただいた方でも、遠方の方は東京で診ることができる。その上で適応のある方はこのセンターで治療をする。南東北病院グループでは東京近郊に新百合ヶ丘総合病院の建設を進めていますが、これがオープンすれば、また新しい展開もあるでしょう。
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ただしこのセンターをがん治療の拠点としていくためには、現実的なキャパシティーやマンパワーの育成など、現実的な課題もあり、何らかの公的なアシストも必要なのかもしれません」
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日本のがん医療を考えるとき、南東北がん陽子線治療センターが既に取り組みを始めているように、効率的な治療のための医療連携のシステムや、がん治療をサポートする相談窓口の整備は不可欠だ。専門医、技師の養成は言うまでもない。医療に対する政治や行政の役割は大きい。兵庫県などでは低い利子で粒子線治療の資金を貸し出す例もある。福島県にもそんな制度があれば、と願う。
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舌がんに対する選択的動注化学療法と陽子線治療の併用
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動注化学放射線療法とは、厚生労働省班研究として不破信和先生が愛知県がんセンターで研究と臨床を進めてきた治療法。進行舌がんに対して、これまでは通常の放射線を併用してきたが、陽子線を使うことで一層高い局所制御が可能となる。
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南東北がん陽子線治療センターで治療できる”がん”(例)
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がんの部位 |
病名 |
病期(UICC) |
総線量 |
回数/期間 |
前立腺 |
前立腺がん |
cT1-4N0M0 |
74~78GyE |
37~39回/7.4~8週 |
鼻・顔面・のど等耳鼻科領域 |
頭頚部がん |
cT1-4N0M0 |
60~70GyE |
30~35回/6~7週 |
再発例 |
30~40GyE |
18~20回/4~5週 |
骨盤部 |
直腸がん術後骨盤内再発 |
骨盤内限局腫瘍 |
60~70GyE |
30~35回/6~7週 |
脳 |
脳の悪性腫瘍 |
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60~70GyE |
30~35回/6~7週 |
膀 胱 |
膀胱がん |
cT2-4N0M0 |
60~70GyE |
30~35回/6~7週 |
肺・肝・骨・軟部 リンパ節 |
転移性腫瘍(単発腫瘍) |
限局腫瘍 |
60~70GyE |
30~35回/6~7週 |
肺 |
非小細胞肺がん |
cT1-4N0M0 |
60GyE・80GyE |
10回/2週・20回/4週 |
肝 臓 |
肝がん |
手術不適例 |
60GyE・76GyE |
10回/2週・20回/4週 |
食 道 |
食道がん |
cT1-3N0M0 |
60~70GyE |
30~35回/6~7週 |
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がん克服を目指して
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南東北がん陽子線治療センターでの陽子線治療は昨年の10月17日から始まり、当初の計画に沿って前立腺がん治療から順次、頭頚部、肺、肝臓、食道などに治療対象部位を拡大してきました。
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統計資料の数値には、そうした部位ごとの治療開始時期のずれが反映されていますが、6月19日現在で、140人を数える方の治療が終了し、46人の方が治療中です。
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南東北がん陽子線治療センターに設置されたPET-CT
陽子線が病巣に正確に照射されているかを確認するために
PET-CTは威力を発揮する。照射治療確認用の導入は
世界でも初めての試み
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このペースで今後の年間治療数を推定すると、昨年開設したばかりにも関わらず、先行する施設の中で最も多い治療数を達成することになり、これを医師、物理士、技師をはじめとする少数精鋭のスタッフが支えています。
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センターは平成21年2月1日付けで厚生労働省より「悪性腫瘍に対する陽子線治療(固形がんに係るものに限る)の先進医療実施施設」として認定されました。これによって通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用については、一般の公的保険診療と同様に扱われます。また、陽子線治療のための治療費は先行する国公立の施設と同等に設定され、先進医療を扱う民間保険でまかなうことも可能です。
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「陽子線でなければ治療できないがんもあり、患者利益の視点から、そうしたがんに対しては保険適用が不可欠」(南東北がん陽子線治療センター・不破信和センター長)とする意見など、陽子線(粒子線)治療を導入または導入を予定している自治体、医療機関などでは、国に粒子線治療の保険適用を求める動きもあり、今後の動向が注目されています。
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陽子線治療は水素の原子核である陽子を光の速さの約7割まで加速し、高いエネルギーを持った陽子線をがん細胞だけに当て死滅させる。3次元の局所制御が可能で、放射線照射の副作用を極力抑えることができるため、これからのがん治療の主役とも期待されている。
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南東北がん陽子線治療センター統計資料(2009年6月19日現在)
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陽子線治療の月別推移 ※ただし、治療開始日で集計
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