東京都内で開かれたとあるセミナー。健康管理とも深く関わる美容医療の新しい世界を紹介する内容でした。講演をされたのは東京クリニックの北原正樹医師。美容医療の世界はメスを使わない治療機器や施術法の開発で初期のエイジングにも丁寧に対応できる時代を迎えているそうです。そんな最新の医療事情をもっと知りたくて、東京クリニック1階の診察室に北原医師を訪ねてみました。流行の光治療もちょっとだけ体験し、しみじみとその実力を実感する取材となりました。

美容医療の世界を訪ねて/東京クリニックで最新肌診断と光治療を体験

美容医療の世界
 美しくありたい、というのは、女性にとっては自然な欲求。ひとそれぞれに求める美しさの姿は違っていますが、医療的な施術によってそんな希望を実現し、外見をより良く矯正するのが美容医療ですね。医療の世界のなかでは、独特の位置にあるように思われがちですが、形成外科や皮膚科の領域とも実は深く重なり合っています。
 「現在ではメスを使わない施術があれこれと開発され、それらは主に顔のしみやしわ、肌のひきしめや肌質の改善、痩身などに用いられています。レーザー、光、高周波の熱を利用するものや、ケミカルピーリング、コラーゲンやボトックス注入といった方法です。これに外科的な施術も含めてですが、私たちは医療の立場に立った適切な治療法で患者さんが求める美しさを実現し、日頃の悩みを解消するお手伝いをさせて頂いているんですね」(北原正樹医師)。
プロポーションドックと美肌ドックに感心
〝診療の羅針盤〟とも呼ばれる東京クリニック。美容医療も〝最先端〟のクリニックです。
 女性のためのドックも充実していますが、特にプロポーションドックと美肌ドックは注目です。
 プロポーションドックは最新の骨密度・体組成測定器(iDXA・次頁参照)で全身をスキャンします。体脂肪や骨密度がひと目でわかり、ほかの検査と合わせて体の今の状態を科学的にチェック。脂肪の付き方も一目瞭然なので、ダイエットコントロールに最適ですね。

東京クリニック

形成外科・美容外科

科長 北原正樹医師

 美肌ドックは肌の水分・油分・弾力などを測定し、現在の肌の状態を診断します。例えば、フェイシャルステージという機器を使うと、目に見えないメラニン色素の沈着状態が確認できます。怖いもの見たさで体験させて頂くと、モニターに映し出された自分の顔にびっくり。肉眼では見えなくても、メラニンは顔中に点在しているのですね。エイジング(加齢)は病気ではありませんが、早いうちから肌対策を始める大切さを、しみじみ実感します。
光治療を体験
 話題の光治療も体験させて頂きました。メイクを落としていざ、治療開始。ハンドピースの先がパチリと光り、その度に少しチクリとしますが、我慢できないほどではありません。痛みを強く感じる方には出力を調整したり、表面麻酔をすることも可能だそうです。これで頬の大きなしみ、そばかすのもと、メラニン色素を攻撃するのですね。
 実際の治療は6回ほどを1クールにして行います。人によっても効果の出方は違ってくるそうですが、私の場合はたった1度の体験治療。さて、肝心の結果はというと、1週間ほどで確実にしみが薄くなり、同時に治療した大きめのそばかすもかさ蓋に変わってぽろり。
 それを見た母親が、いつの間にか通院治療を始めたという後日談もあり、思わぬ〝効果〟にもびっくりです。
 加齢とともにできてしまったしわやたるみも、多くの場合、正しい治療を行えば解消することが可能だといいます。若々しいピンとハリのある肌を取り戻したい、というのは多くの女性の憧れ。気軽に受けられるアンチエイジング医療の世界は、要チェックですよ。

写真左:フェイシャルステージで顔の肌の様子を撮影しているところ

写真右:フェイシャルステージで撮影した肌の奥の肉眼では見えない状態をモニターで確認

写真左:しみ・そばかすの光治療を体験してみました

今回治療で使用したのは写真右のルミナスワン。ハイスピードという光を照射する先端部を何種類か使い分けて光の波長などを変え、症状に適した治療を行うそうです。

美容外科の世界
 新しい治療機器や施術法が開発され、外科的な手術までは、という方も、今では初期のエイジングサインに対する治療を抵抗感なく受けやすくなり、美容医療の敷居はずいぶん低くなってきました。
 しかし、それだけに、自分の希望を実現するためにはどんな治療法があるのか、事前に正しい情報を得ておきたいものです。そのためには信頼できる医療機関を訪ね、ドクターに相談してみるのが一番。その点、形成外科学会の認定医・専門医が顔をそろえる東京クリニックなら安心ですね。

北原正樹医師

東京クリニック診察室にて

 ところで、北原医師によれば、美容外科の相談で、一番多いのはまぶたを二重にする重瞼術(じゅうけんじゅつ)と口元の治療だそうです。目元、口元は特に見た目の印象に結びつきやすいですから、女性としてはうなずけますね。
 顔を手術するというと、どうしても抵抗感がある、という方が多いのも事実かもしれません。けれども、二重まぶたにしたり、目をぱっちりさせたいという場合、さまざまな治療法にはそれぞれに特徴やメリット、症状による向き不向きがあります。ですから、一人ひとりの目の縦横の大きさや特徴、そして希望を事前にきめ細かく伺い、それぞれに最適な治療方法を選択していくのだそうです。
 「メスを使う切開法の場合、一時的に腫れの症状も現れますが、約1週間後の抜糸時期には腫れもひいて、きれいでしっかりした二重になります」
 メスを使わない埋没法などに比べると、外科的な処置は効果も確実なのだそうです。目の下のクマやたるみなどの場合も、実際にはフェイスリフトなどの手術が最も有効であり、コストパフォーマンスも高いという一面もあるそうですから、自分が望む結果を、費用や治療方法、QOLを踏まえて、ドクターに納得がいくまで相談したいところですね。
 「ひとつ、つけ加えておきたいと思いますが、下がりまぶたで眼が開きにくいと、慢性的な頭痛、肩こりに悩まされることがあります。このような方は、挙筋短縮術をすることで、まぶたが大きく開くようになると、視野が広がり姿勢が修正され、肩こり、頭痛も解消されるんですよ」
 なるほど、守備範囲は美容医療だけではないのですね。
痩身医療のことなど

二重まぶた埋没法

治療前(上)と治療後(下)

 そろそろ次のオペの時間になりそう、ということで、最後に痩身治療についてお伺いすることにしました。
 「東京クリニックでは、全国に数台しかない体組成・骨密度測定装置『ルナー・アイ・デクサ』(Luna iDXA)という装置を導入しています。全身をスキャンすると、脂肪や内臓、骨の状態まで映し出すことができます。約10分ほど寝ているだけで検査は終わりです。全身の脂肪量や、上半身、下半身、左右の腕、左右の脚それぞれの脂肪量まで細かにデータが出るんです。これにCTでスキャンした内臓脂肪検査の結果を合わせると、肥満の性格や度合いも手に取るように分かります。骨密度も測定できるのですが、そうした科学的なデータをもとに、ダイエットやメタボリックシンドロームの対策に役立てていくわけですね」
 この装置でスキャンすると、自分の全身をスケルトン状態で映し出すことができます。それを見て俄然ダイエットにやる気が出ました、という女性は多いそうですが、太り気味の私も日頃の怠惰な体を透かして見たら、愕然として目が覚めるかもしれません。この装置を利用したプロポーションドックは、ダイエットの大きな味方。今や、肥満も科学的にアプローチできる時代なのですね。
 「ダイエットは食事制限だけというのはNG。基礎代謝が高いほど太りにくいし、筋肉質の体は太りにくいということを頭に入れて、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で体脂肪を減らしたり、ジムなどの筋肉運動(無酸素運動)で基礎代謝を増やし、脂肪を燃焼しやすい体質に変えるのが理想的ですね」とのこと。

老人性眼瞼下垂(下がりまぶた)

治療前(上)と治療後(下)

 そうした健康管理の基本を踏まえた上で、痩身も実は美容医療のひとつの柱です。
 「ハイパーサーミアという機械で温熱を利用して体の中を暖め、新陳代謝を増進させたり、岩盤浴の原理を利用して低周波の筋肉運動を組み合わせた機械(コクーンプロⅡ)や、超音波を一点に集約させて脂肪細胞を破壊するウルトラシェイプという装置も効果的です。
 ほかにも高周波で体を引き締めたり、基礎代謝を向上させたり、コラーゲンを増やしたりする最新のボディ治療機器を用いると、おなかやヒップの部分痩せなどが可能です。ご希望に添える有効な複数の治療法を用意していますから、気軽にご相談頂ければ、最適な治療法が見つかると思いますよ」
 女性が悩みを相談する上で、男性の医師では気が引けるという場合には、女性の医師が診療にあたるよう配慮もしています、と言う北原医師。男性の方の育毛治療も行われるそうですから、心当たりの方は一度相談してみてはいかがでしょう。
痩身

■診断・検査

体組成・骨密度測定装置 iDXA

日本国内におよそ10台しかない機械です。右は全身を撮影した画像。骨や皮下脂肪、筋肉量などが一目瞭然。これにCT検査を組み合わせれば、内臓脂肪の状態もチェックできます。体の状態を科学的に把握してから、痩身治療やダイエットに挑戦を。

iDXAの全身画像(上)

とCTによる腹部の横断画像

■治療

ウルトラシェイプ

寝ているだけで脂肪が消える!

超音波で体を傷つけず、安全に脂肪細胞のみを破壊します。

体重緩和・セルライト・下半身太り、下腹のでっぱり等の症状に効果が期待できます。

コクーンプロⅡ

天然鉱石から放出される遠赤外線とマイナスイオンの相乗効果による発汗作用。

●体を深部から温め、皮脂腺からの発汗を促す。

●体内に蓄積されている有害金属を効果的に排泄させ、体の代謝機能を正常化させるデトックス効果。

●低周波筋肉運動(EMS)も合わせて行うことで、気軽にシェイプアップ!

コクーンプロⅡ

そのほか、メソセラピー(脂肪融解注射)などの治療法があります。

 
美容外科・美容皮膚科

形成外科・皮膚科の専門性を踏まえて行う治療

より確実な治療を求める方へ

フェイスリフト
目元治療
二重まぶた埋没法, 二重まぶた切開法, 目頭切開, 眼瞼下垂, 下眼瞼たるみ etc
鼻顎治療
鼻隆鼻術, 小鼻縮小, 段鼻修正(ハンプ), 耳介軟骨移植, 鼻尖軟骨切除, 鼻骨骨切り etc
耳治療
胸部治療
バストアップ, 乳輪・乳頭縮小, 乳房形成, 陥没乳頭 etc
その他
脂肪吸引, 脂肪注入, へそ形成, 植毛, 腺臭切開法, 切除縫合, 剥削, 植皮, 傷痕修復治療 etc
皮膚
雀卵斑, 肝斑, たるみ, しわ, 肌質改善, イボ, ほくろ, 毛穴, にきび, にきび跡, アザ, 傷痕, 刺青, 赤ら顔治療・脱毛治療 etc
 
注入治療

しわ・フェイスリフトの治療に

ヒアルロン酸
もともと真皮や関節に存在する保湿・弾力成分がヒアルロン酸。この成分を人工的に製剤したもの(レスチレン)を注射で直接、希望部位に注入します。眉間・目じり・おでこ・ほうれい線などのしわを改善したり、唇を厚くする、鼻を高くする、豊胸などに利用。徐々に体内に吸収されます。
ボトックス
弱毒されたボツリヌス菌の局所注入により、神経の働きを抑え、筋肉を緩める効果を利用します。笑い皺の改善や発汗を抑え腋臭・多汗症・手足の多汗症などの改善に効果が得られます。
コラーゲン
真皮の90%以上を占めるタンパク線維。シワやたるみの治療で注入剤として使われています。浅いシワから深いシワまで幅広く対応しますが、注入前にアレルギーテストを行うことが望ましいとされます。
 
レーザー治療

強い熱エネルギーで傷・しみ治療に

特定の波長を照射し、メラニンや毛根、血管に吸収されるものなど、目的に合わせていろいろな機器を使い分け、傷の治療やしみ治療、脱毛などに使われます。アファームはレーザー治療機器の代表格。レーザーを表皮部分にドット状に照射すると、その部分が代謝して肌が再生され、4~5回で肌が入れ替わり、キメの密度がアップしたようなハリのある肌になります。QスイッチYAGレーザーは強力なレーザーで、しみ、そばかす、老人性疣贅(ゆうぜい)、刺青 、ほくろなどに有効。また、シナジーは毛細血管拡張症、血管腫、皮膚トリートメント、しわ、小じわ、脱毛にも有効です。

アファームと治療の様子

 
RF治療 Radio Frequency

肌の深部に届きコラーゲンの増産を促進

ラジオ波とも呼ばれる高周波エネルギーを利用し、肌深部のコラーゲンにダメージを与え、その治癒反応を利用して新しいコラーゲンを増産させます。

サーマクールはアメリカのFDAやカナダのHPFB(ともに日本の厚労省に相当する)の承認を受けた医療機器。

顔や腹部、ふともも等に用いられ、引き締め(タイトニング)やコラーゲン増産効果が得られます。照射後はすぐにメイクも可能です。フェイス治療の若肌効果、顔・上下眼瞼や首のしわ・たるみ(リフトアップ)、小顔効果が期待でき、おなかやヒップの部分痩せにも有効。

テノールは、痛みの少ないRF治療機器。モチモチ肌をゆっくり育ててくれます。

サーマクール

 
光治療 IPL(Intense Pulsed Light)

しみ、肌の弾力アップ、美肌、脱毛など複数効果

光治療はフォトフェイシャルやIPLと呼ばれ、幅広い波長の光を照射して治療します。キュテラ、ルミナスワンなど、多くの機種があり、しみや色むら、毛穴の開き、小じわ、キメやハリの改善など、多彩な治療が可能です。また、脱毛やにきび治療が可能なタイプもあります。どの効果を強めたいかなど、肌質や症状、希望に合わせていい結果を出すために出力を調整して使用します。

最新のIPL治療機器として注目されているのがXeo(ゼオ)プラットフォーム。スキンセラピーのためのマルチプラットフォームです。しみ、しわ、くすみ、赤ら顔、脱毛、アンチエイジング全般から静脈瘤まで、圧倒的な効果が期待できます。

さらに日本人医師が監修した最上級のハンドピース ライムライトを組み合わせれば、しみ、くすみ、毛穴、赤ら顔、ニキビ、小じわや美白等、日本人の様々な肌の悩みに最適かつ最善の答えを導きだし、新次元の光治療を実現します。

Xeo(ゼオ)プラットフォーム

ライムライト ハンドピース