春爛漫、桜前線が列島を北上するなか、三春滝桜は見事な紅色の衣をまとう。一説には千年にも及ぶという生命力を持つ紅枝垂れ桜の老樹は、多くの人に寄り添い、その心を魅了してきた。滝桜を守り、人生の時間をともにした人々の物語りに思いを馳せながら、今年も滝桜のもとを訪ね、壮麗な花を見上げてみたい。
伊東正義氏(『樹齢1000年の三春滝桜』の著者)
左から木目沢伝重郎氏柳沼吉四郎夫妻
滝桜の苗の生育を見守る柳沼吉一さん。種から芽生えた実生の桜は寿命も長いという
柳沼吉一さんと妻の喜久子さん。 祖父の吉四郎さんが滝桜の種を拾い自宅に植えた という『谷都の桜』(樹齢50年超)の前で。 まるで桃源郷のような風景が広がる庭先には、 春を呼ぶ野鳥の囀りが溢れる。 母のハナさんも滝桜が有名になる前から堆肥を与え、 草刈りをするなど、滝桜をいたわり守り続けた。
滝桜の記念植樹 郡山市日和田町に開設された南東北福祉事業団の 総合南東北福祉センターでは、「10周年記念式典」(2009年4月) に伊藤美栄子さん(利用者代表)から寄贈された 三春滝桜の子孫樹の苗を渡邉一夫理事長らが鍬入れ、植樹しました。
前林公園の滝桜(紅枝垂れ桜) 南東北がん陽子線治療センターの開設(2008年10月19日) を記念して、一般財団法人脳神経疾患研究所と安藤建設株式会社は、センター建設に理解と支援を下さった八山田七丁目町内会に対して滝桜の子孫樹を寄贈した。記念樹は南東北医療クリニック前の郡山市前林公園に植樹され、翌年春には紅色の華麗な花を咲かせている。
赤坂サカスの滝桜(紅枝垂れ桜) 開花時期は3月下旬から4月上旬