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高血圧症は生活習慣病の一つで、糖尿病やメタボリックシンドロームと同様、よくない生活習慣の積み重ねによって引き起こされる病気です
医療機関での治療には降圧剤が使われますが、薬物療法とともに行われる食事療法も大切です。
私たちの心臓は、毎分60~70回ぐらいドクンドクンと脈打っています。これは心臓がポンプのように血液を血管に押し出して、脳をはじめ全身に送るためです。
血管を流れる血液の圧力が高くなると血管に負担がかかり、酸素を届ける血管である動脈が傷みやすくなります。さらに心臓も大きな圧力を必要とされるため、こちらの負担も増えます。
このように高血圧が問題になるのは、血管や心臓に大きな負担をかけ、障害をもたらすことになるからです。その結果、心臓病や脳卒中などを引き起こしやすくなります。
高血圧症の治療は、血圧を下げることで虚血性心疾患や脳卒中といった将来起こる心臓や血管の病気を防ぐことにあります。
高血圧症は、動脈硬化と一体の関係にあり、動脈硬化が進むと必然的に血圧は高くなります。どちらもいわゆる生活習慣病と呼ばれるもので、血圧が高くなると動脈硬化が進み、さらに血圧を上げるという悪循環になります。
生活習慣病である高血圧症は、生活習慣を見直すことで、ある程度予防・軽減できます。
高血圧症予防・軽減の基本は、バランスのよい食事です。肉類ばかりではなく、野菜もたっぷり摂りましょう。果物も良いのですが、糖分が多いことに注意してください。さらに注意が必要なのが、つい摂りすぎてしまいがちな塩分の量です。厚生労働省では、健康な成人の塩分摂取量を1日10g未満としています。減塩を心がけましょう。
血圧を下げるためには、医師の指示に従って降圧のための薬をきちんと服用しながら、食事療法に取り組むことが大切です。
一番のポイントは「減塩」 です。「沖縄を糾える新たな健康.長寿県」とよばれるようになった長野県では、県をあげて減塩運動に取り組み、生活習慣病を改善してきました。その結果血圧が下がり、脳卒中による死亡者が大幅に減りました。
また生野菜も高血圧症対策には効果的といわれます。生野菜に多く含まれるカリウムがナトリウム(塩分に含まれる成分)を尿として体外に排出するのをうながすからです。
長野県は、男女ともに野菜の摂取量が全国1位。こうした食習慣も健康・長寿に一役E貝っていることは間違いないでしょう。
さらに適度な運動も必要です。なぜなら肥満が高血圧と関係があり、肥満は運動不足からもたらされるためです。とくに現代人は慢性的な運動不足に陥っています。
そこで、ウオーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動(酸素をたくさん使う運動)を、長期間続けて行なうことをおすすめします。ほかにもサイクリングや水泳などをゆっくり行ないましょう。これら有酸素運動には血圧を下げる作用があることがわかっています(ただし、現在高血圧を治療中の場合、医師に相談すること)。
塩分の摂り過ぎ、喫煙、大量飲酒、肥満、運動不足は、高血圧以外の病気でも大きな危険因子となります。
こうした危険因子を取り除く生活を普段から心がけましょう。
-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2013年11月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載