健康情報 こんにちわ

 

WPW症候群

 「WPW症候群」という病気を聞いたことがありますか?
これは先天的な心臓の病気で、この病気を研究した3人の博士の名前(ウオルフ、パーキンソン、ホワイト)から名づけられています。
 心臓は全身に血液を送り出すためのポンプの役割をしています。このポンプを稼動させるために、心臓内部から心臓の筋肉へ常に電気信号が送られています。
 心臓には通常、この電気信号を伝える経路は1か所しかありません。しかし、WPW症候群の患者の場合、この経路が2か所存在します。このため条件が重なると、心臓の筋肉に余分な電気信号が送られて心臓の動きが異常に早くなる「頻脈発作」が起こりやすくなります。
 WPW症候群の患者は、800~1000人に一人の割合で存在するといわれ、まれな病気ではありますが、重篤な頻脈発作によって危険な状態になることがあります。
 WPW症候群の場合、自覚症状が軽度の場合は対症療法のみで根治治療を行なう必要はないとされています。ただし、他の心臓疾患が起こったときには、症状悪化のリスク要因にもなるため、専門医とよく話し合ってください。
 WPW症候群で重篤な頻脈発作が起こる場合は高周波電流によって神経の一部を焼き切る治療(アプレーション)が検討されます。この治療法の成功率は非常に高く、WPW症候群の根治治療が可能となっています。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年04月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載