健康情報 こんにちわ

 

機能性胃腸症

 学校や職場、家庭の問題でストレスを感じて胃が痛くなる……こうした経験のある人は多いでしょう。
 胃は、自律神経によって機能しています。このため、胃そのものには病変がなくても、ストレスによって自律神経の働きに乱れが生じると胃の機能にも悪影響が及び、胃の痛みへとつながります。
 このような病気は、「機能性胃腸症」あるいは「機能性ディスペプシア」とよばれます。
 具体的には、胃の機能に乱れが起きると、胃の粘膜を保護する物質の分泌が抑えられ、逆に胃の粘膜を刺激する胃酸の分泌が増えることにより胃痛が起こります。また、胃酸による胃への刺激が過剰に脳に伝わる知覚過敏も、機能性胃腸症にみられる代表的な症状の一つです。
 機能性胃腸症の原因は精神的ストレスだけはありません。過労や睡眠不足といった肉体的ストレスも関係しています。
 機能性胃腸症の治療には、消化器官の運動を調節する薬や、胃酸の分泌を抑える薬による薬物療法が行なわれます。また、精神的ストレスがおもな原因となっている場合は、抗不安薬や抵うつ薬の処方が検討されます。そして、薬物療法と同時に、ストレス対策や生活習慣の改善に取り組みます。こうした対処により、症状の改善が期待できます。
 胃の痛みは、心身の健康状態を表す重要なサインです。そのまま放置せず、かかりつけの医師に相談してください。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年05月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載