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熱中症 Q&A

熱中症のピークは7月~8月ですが、今年はすでに5月末から熱中症による健康被害が頻繁に報道されています。
誰もが発症する可能性があり、また、発症すると急速に症状が悪化する恐れがある熱中症。熱中症について寄せられた疑問点をいくつかピックアップしてみました。ぜひ、この夏を健康に乗り切るための参考にしてください。

熱中症とは何ですか?

 熱中症は、高温多湿の環境下で、発汗機能や血液循環に不調をきたして起こる病気です。
 発汗機能や血液循環に不調をきたすと体温が高くなり、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、脳や内臓、筋肉といった生命活動に欠かせない組織が障害されます。
 熱中症の症状は一般的に、大きく3つに分類されます。

●熱痙攣=血液中の塩分不足により、おもに脚部や腹部の筋肉にけいれんが起こる。
●熱疲労=脱水症状により、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感がある。皮膚の状態は青白くなる。体温はそれほど高くない。
●熱射病=意識障害、吐き気、全身のけいれんといった、熱疲労、熱痘攣の症状がさらに酷くなった状態。皮膚の状態は赤く、熱っぽい。

 熱中症のなかでもとくに熱射病は、命に関わる危険があります。
 自力で水分の補給ができない、あるいは意識がはっきりしないといった状態のときは、すでに症状が重症化しています。至急、救急車を呼んでください。

熱中症はどんなとき起こりますか?

 炎天下で運動や肉体労働をしたときに熱中症は起こる傾向があります。しかし、とくに高齢者は、室内で安静にしていても熱中症になることがあるので、屋内外問わず注意が必要です。
 熱中症は、高温多湿の環境下で起こりやすくなりますが、どの程度の気温(あるいは湿度) によって熱中症が起こるかは、個人差があります。また、そのときの体調にも大きく左右されます。夏場はご自身の体調に十分注意して、少しの異変でも早めに対処するようにしましょう。

熱中症になりやすい人はいますか?

 熱中症で救急搬送された人を年齢別でみると、65歳以上の方が約半数を占めています。
 これは、加齢とともに、のどの渇きや暑さに対する感覚が鈍ることや発汗機能が衰えることと関係しています。

熱中症になったときは?

 暑くて頭がぼんやりする、のどがとても渇く……これらは、熱中症の初期症状です。早急に、水分・塩分を補給し、涼しい場所へ移動しましょう。そして、冷たいタオルなどで火照った身体を冷やすことが大事です。
 ただし前述したとおり、熱中症は急激に症状が悪化する傾向があります。この点にはくれぐれも注意して、経過をみてください。

熱中症にならないためには?

 まずは、こまめな水分補給を心掛けましょう。
 のどに渇きを感じるときはすでに、体内の水分は不足しています。
 成人の平均的な水分の摂取量は、2500ccとされています。ただ、その半分程度は食事からも摂取しています。このため、飲料からは、およそ1500ccの摂取が目安になります(ただし、アルコールやカフェイン飲料は利尿作用があるので、水分補給には適しません)。

そのほかに注意点はありますか?

 熱中症の症状には体温の上昇がみられますが、かぜやインフルエンザによる高熱と違い、解熱剤は効かないばかりか、症状を悪化させることがあります。これは、体温の調節機能自体が変調していることによります。
 発熱の原因がはっきりしない場合は、迷わずかかりつけの医師に相談してください。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年07月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載