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糖尿病にはインスリンというホルモンが関係していますが、インスリンは食事のあとの上がり過ぎた血糖値を下げる働きがあります。そのインスリンが減ってしまったり、働きが低下すると、血糖値が下がらなくなって高血糖状態が続いて糖尿病が発症します。
「血糖値」 とは、血液検査の項目の一つで血液中に含まれるブドウ糖の量を表します。9時間以上飲食しないときの 「空腹時血糖値」と、「HbAIC (ヘモグロビンAIC)」から、血糖値の状態が把握できます。
ブドウ糖は、毎日の食事により補給される、私たちの日常の身体活動において重要なエネルギー源ですから、血糖値を正常に保つことはとても大切です。
食事を摂り血糖値が上がると、血糖がエネルギー源として利用されるのを助ける働きがあるインスリンが分泌されることにより、血糖値が下がります。
しかしここで、インスリンの分泌量が減少したり、働きが低下したりしてインスリンの働きが追いつかなくなると、血液中は多量の糖であふれ、いわゆる高血糖状態=血糖値が高い状態になります。こうした高血糖状態が続くと糖尿病になり、このとき糖は尿に排出されます。
では、私たちはどのようにして自分の血糖値を知ることができるのでしょうか。
空腹時血糖値(9時間以上何も食べたり飲んだりしない場合の血糖値)と、過去1~2か月間の血糖状態がわかるHbAICにより、自分の血糖値を知ることができます。
特定健診では、空腹時血糖値が100mg/朋以上、HbAIC値が5・6%以上になると、生活習慣病を警戒しなければならない検査結果であり、注意を要します。
ヘモグロビンは、血液の赤血球に大量に含まれているタンパク質の一種で、結合した酸素を全身に送る役目を果たしています。
このヘモグロビンには、血液中のブドウ糖と結合する性質があり、ブドウ糖と結合したものの一部分がHbAICです。
このHbAIC値は、過去1~2か月の血糖状態を表しますから、これまでの血糖値よりも正確な血糖状態を教えてくれます。
食事を摂っただけで上がってしまう血糖値は、その検査をしたときのコンディション次第の数値ともいえます。ですから1か月前の検査時より血糖値は下がっているのにHbAICは上がっているということが起こり得ます。
正確な血糖値は、健康な日常生活を送るためにとても重要な数値ですから、自分の血糖値はきちんと把握しておくようにしましょう。
ヘモグロビンは赤血球のなかに大量に存在するたんばくです。赤血球の寿命はおよそ4か月といわれ、赤血球はこの間ずっと体内を巡り、血管内のブドウ糖と少しずつ結びつきます。高血糖で余っている糖が多いほど結びつきが増え、HbAICも多くなるわけです。したがって血液中のHbAIC値は、赤血球の寿命の半分くらいにあたる時期の血糖値の平均を反映します。列来で血液棟査をすると、その日から1~2か月前の血糖の状態を推定できることになります。
HbAlU値が8・0以上の場合、糖尿病の合併症が進みやすい状態となります。
この状態から一般的に5、6年ほどで両足のしびれ、感覚の麻痺や痛みに襲われ、さらに2、3年経つと視力が低下し、最悪の場合は失明の危険もあります。10年を過ぎるころから腎不全になり、人工透析が必要になります。透析が始まるとその後の50%生存率は約4年といわれます(約半数の人が4年くらいで亡くなるということです)。
ほかにも心筋梗塞や脳梗塞、さらにはえそ(足が腐る)により切断が必要になったりします。
血糖値が高いということは、血液中の糖分が多すぎて血液がドロドロ状態になるということです。ドロドロの血液が、柔らかい血管を傷つけて通り、それが様々な合併症を引き起こしてしまいます。
食物繊維はほとんど消化されずに消化管内をゆっくり移動し消化されますから、血糖値の上昇を抑えることができます。特に、海藻やイチゴ、マンゴー、プルーンなどの果物は、粘性のある水溶性食物繊維が血糖値の上昇を抑えてくれます。また、牛乳や酢にも血糖値の上昇を抑える効果があります。
さらに、よく噛んで早食いを避けることで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。さらに、1日3食、朝、昼、晩と規則正しく食べることは、食生活の基本です。
規則正しい生活が、高血糖を撃退します。
-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年08月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載