12月といえば、忘年会。忘年会の「忘年」には、「その年の禍事を忘れる」という意味のほかに、「年齢による上下関係を忘れて、皆で楽しむ」という意味もあるそうです。
忘年会のみならず、この時期に、ご家庭の食卓も華やかにしてくれるのが鍋です。そして冬には、鍋料理にぴったりの食材が旬を迎えます。

健康な身体をつくる旬の食材を使った鍋

　寒い時期に必要な栄養素は、身体に抵抗力をつける「ビタミンC」や、縮こまる血管のなかの血液循環をよくする「ビタミンE」、冷えに負けない柔軟な筋肉をつくる「たんばく質」です。
　 冬に旬を迎える、大根・ごぼう・しょうが・にんじんといった根菜類には、ビタミンCやビタミンEが豊富に含まれています。
　 そして、冬の味覚で忘れてならないのは、魚介類。脂肪分が少なく、たんばく質が豊富なアンコウやカレイ、ブリ、カキ、カニ‥…・。食材によっては、この時期しか食べられないものもあります。

鍋をおいしく食べるには？

　鍋を作るときに困るのが、「アク」の存在です。
　 野菜には、昆虫から身を守るためにある種の毒素（苦味や渋味）が含まれています。野菜を煮ると、こうした苦味がアクとなって浮かんできます。また肉や魚介を鍋に入れた場合は、そうした素材の脂や血液もアクに含まれています。
　 アクは、人間の身体には害がないとされているので、あまり神経質に取り除く必要はありません。
　 とはいえ、アクが残っていると鍋料理の味は、雑味の混ざったものとなります。おいしく鍋を食べるには、ある程度は取り除いたほうがよいでしょう。
　 アクは、沸騰した鍋汁に具材を入れて、もうひと煮立ちしたのち、弱火にすると出ます。このときにまとめて取ってしまうのが、うまいアク取りのコツです。

－すぐに役立つ暮らしの健康情報－こんにちわ 2015年12月号：メディカル・ライフ教育出版　より転載