たんばく尿とは、尿のなかにたんばく質が多く混ざっている状態のことを言います。
なぜ、たんばく尿を放置してはいけないのでしょうか？　それはたんばく尿が、腎臓の健康状態を荒すたいへん事要なサインであるからです

物言わぬ臓器＝腎臓

　腎臓には血液をろ過してたんばく質を取り出す働きがあります。腎臓が健康であれば（一時的な過労や体調不良で尿中のたんばく質が増える場合を除き）、たんばく質の99％を血液中に戻すため、たんばく質が多量に尿に漏れ出すことはありません。しかし、腎臓にトラブルがあると血液のろ過が十分に行なわれず、たんばく質が尿中に漏れ出してしまうのです。

　 腎臓は、病気がかなり進行しないと痛みを伴う自覚症状が現れにくい臓器で、肝臓と同様に「物言わぬ臓器」と呼ばれています。たんばく尿は、自覚症状に変わってそんな腎臓の状態を教えてくれます。腎臓の病気を早期に発見するためにはたんばく尿に十分な注意を払う必要があるのです。

たんぱく尿を放置してはならない理由

　腎臓の機能は一度損なわれると、ほとんどの場合、元の状態に戻ることはありません。腎臓は排尿に関連する臓器なので、障害が起こると日常生活に多大な不自由をもたらすだけでなく、命に関わる問題となります。
　 とはいえ、たんばく尿を早期に発見して腎臓の治療を行なえば、腎臓の機能低下やさらなる悪化を遅らせることが可能です。
　 たんばく尿は、健康診断の尿検査で調べます。健康診断の結果、たんばく尿の疑いがある場合は決して放置せず、精密検査を受けるようにしましょう。

－すぐに役立つ暮らしの健康情報－こんにちわ 2016年2月号：メディカル・ライフ教育出版　より転載