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命の危険をもたらすインフルエンザから身体を守る インフルエンザワクチン

インフルエンザの予防接種が10月中旬から開始されます。インフルエンザワクチンは毎年、新たに接種を行なう必要があります。昨年接種された方も、接種が必要です。

インフルエンザウイルスについて知ろう

 インフルエンザウイルスの感染は、ウイルスの含まれた唾液や飛沫が体内に入ったときに起こります。他の人の唾液や飛沫を体内に入れない、また、他の人に唾液や飛沫を飛ばさない……。インフルエンザの予防として、せきエチケット(マスクをすること)や手洗い・消毒の励行が有効なのはこのためです。

 人間に感染したインフルエンザウイルスは、感染した人の気道(喉から肺へ繋がる空気の通り道)で増殖します。このとき、ウイルスに対する抵抗力があれば、感染してもウイルスの増殖を抑えることができ、病気の発症や重篤化を抑えることができます。

 インフルエンザウイルスには、高温多湿の環境に弱いという性質があります。その一方で、気温が低く、空気が乾燥してくると活動は活発化します。インフルエンザの流行が、日本では12月~3月にかけて起こるのはこうした理由によります。

インフルエンザワクチンで重篤化を防ぐ

 日本では毎年、1000万人以上がインフルエンザウイルスに感染します。せきエチケットや手洗い・消毒の励行は今後とも十分に進めて行かなければなりませんが、残念ながら、ウイルスの含まれた唾液や飛沫を完全に防ぐのは非常に困難です。

 そこでもう一つの予防法として、インフルエンザワクチンを接種し、ウイルスに対する抵抗力を強化することでウイルスに感染しても重篤な症状を引き起こさないという対策が必要になります。

 とくに65歳以上の高齢者や何らかの病気を患っていてウイルスに対する抵抗力が低下している方には、インフルエンザワクチンの接種は非常に大きな力となります。

 インフルエンザワクチンは、10月中旬から12月上旬までに接種することが勧められています。これは、インフルエンザワクチンの有効期間が約5か月であることによります。これによって12月~3月のインフルエンザの流行期間をカバーします。

2016-17年冬期のインフルエンザワクチン

 インフルエンザウイルスにはあ、A・B・Cの三つの型があります。

 A型のウイルスは形が変化しやく、免疫が不十分な人が多いケースがあり、大流行が起こりやすい傾向があります。B型は人間のみに感染するインフルエンザウイルスで、2種類存在します。C型は、ほとんどの人が幼児のうちに感染するウイルスで、症状も比較的軽く、免疫は生涯続くとされています。

 2016-17年冬期のインフルエンザワクチンは、2009年に新型インフルエンザとして世界中で流行したH1N1(A型)とインフルエンザとしてはとても流行しやすいA香港型、そして、2種類のB型に備えたワクチンになります。

 昨年、インフルエンザワクチンは、3種類おワクチン株を使用した3価ワクチンから4種類のワクチン株を使用した4価ワクチンに変わりました。B型インフルエンザに対抗するワクチン株が一種類追加されたのです。

 かつてはB型は、一年おきに流行するとされていました。しかし近年、B型インフルエンザは毎年流行する傾向にあります。このことからもインフルエンザワクチンの接種は現在、その重要性をさらに増していると言えます。

 

 

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2016年10月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載