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歯列矯正の基礎知識

歯列矯正への関心が高まっています。かつての日本では、八重歯を愛らしいと感じる国民性がありましたが、現在は、きちんとした歯並びが好まれるようになってきました。実際に、歯列矯正を行なうと、フェイスラインが整い、健康的で美しい口元になります。歯並びがよいことは審美的な問題に止まりません。噛み合わせがよくなることで心身の健康によい影響を及ぼします。

歯列矯正とは

 歯には、力を加えると移動するという性質があります。これを活かして、理想的な歯並びを実現するために、矯正装置を使って徐々に歯に力を加え、歯を動かしていきます。これが、歯列矯正です。
 適切な負荷で歯が動くスピードは1か月に1m程度。速度を上げるために無理な負荷を加えることは、歯肉の組織を破壊してしまうためできません。
 歯列を矯正する装置には、一般的に多く使われる「マルチブラケット」をはじめとして様々なタイプのものがあります。どの装置を使用するのが最善かは、口腔内の状態によって変わってきます。歯科医師とよく話し合って決定しましょう。





歯列矯正の流れとポイント

 1 カウンセリング・検査
 歯列矯正に関する様々なことが話し合われます。基本的な治療の仕方、期間、費用など。  ご自身の希望もしっかり伝え、疑問は解決するようにしましょう。そして、口腔内の正確な状態を確認するために、写真撮影やレントゲン撮影、歯形を取るといった検査が行なわれます。

 2 診 断
 歯列矯正は「治療計画」がとても重要です。矯正の際に使用する器具の選択だけでなく、全体的な矯正が必要か部分的な矯正でよいか、むし歯や歯周病の治療の必要性など、総合的に判断して歯列矯正は進められます。検査結果をもとに、治療を受ける方の希望を踏まえ、治療計画を決定いたします。
 この段階で、治療期間・治療費に関するより具体的な説明を受けられるでしょう。
 歯列矯正は自由診療が基本となっています。歯列矯正にかかる総合的な費用は、症状・治療期間・矯正器具によって大きく異なりますが、大人の歯列矯正の場合、表側にマルチブラケットを装着して治療する場合は100万円くらい、裏側に装着する場合は、その1.5倍~2倍が目安となっています。

 3 治 療
 むし歯や歯周病がある場合は、これらの治療を行なった後、矯正治療に入ります。
 矯正装置の取り付けは、種類によって1回で終わるものと2、3回に分けて装着するものがあります。矯正装置の装着後は約3~4週間どとに通院し、治療の進行状況や装置の状態をチェックしていきます。
 初めて矯正装置をつけたときや装置を調整したときに、鈍い痛みを感じることがあります。矯正装置をつけてからしばらくすると歯が動く準備を始めるためです。矯正装置の装着・調整による痛みは、一般的に2~3日で治ります。期間全体としては、装置を装着した当初が一番辛く、治療が進むにつれてこうした感覚もやわらいでいきます。

 4 保 定(ほてい)
 歯の移動が終わったら、それを維持するためにリテーナーという、取り外し式の器具を使用します。これにより、元の位置に戻ろうとする歯の動きを抑えます。

 5 終 了
 3~6か月に一度の割合で通院を続け、リテーナーを使用しなくてもよい状態になれば治療は終了です。その後も半年に一度は定期検診を受けて、治療の終わった素晴らしい状態を維持していくようにしましょう。

※歯列矯正の治療期間・費用は、症状により大きく変わってきます。まずは、かかりつけの歯科医師に、ご相談ください。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年04月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載