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医師の指示に従って、病医院の窓口や調剤薬局から出される飲み薬。用法・用量をきちんと守って飲むことで薬の効果が発揮されます。逆にカプセルを開けたり錠剤をすりつぶしたり、用量以上の量を飲んだりすることは逆効果だったり危険なこともあります。薬は使い方を守って飲みましょう。
医師は患者を診察し、どんな病気かを判断して、その病気を治すために必要な薬を処方します。
ですから処方された薬は、一人ひとりの患者個人のためのものです。その人の現在の病気・病状に合った薬は、用法・用量を守ってこそ効果を発揮します。自分の身体のためにも、処方された薬は、医師の処方どおりに飲まなければなりません。
例えば……。
▽いつ飲むか……食前、食後、食間と、決められた時間を守りましょう(ただし、頓服(とんぷく)の場合は、症状の発現に応じて飲むことになります)。
▽用量……自己判断で量の増減をしないこと。
▽期間……余った薬を自己判断で使用しないこと。
▽注意……「胃障害を起こすことがありますから飲酒は控えてください」「グレープフルーツジュースと一緒に服用しないこと」などと「お薬手帳」と一緒に、病医院あるいは調剤薬局からの薬の説明書を受け取ることになります。
必ずその指示に従って服用しましょう。
幼児や高齢者で、どうしても薬を嫌がる、薬が飲みづらくて飲めないという人には、飲みやすくする方法があります。
○オブラートを使う
散剤(粉薬)や頼粒状で飲みにくい薬はオブラートに包み、水に浸して飲んでみましょう。
○とろみ剤を使う
この方法は、高齢者の食事介護の際に使われますが、薬の服用時にも応用できます。散剤などは、少量の白湯にとろみ剤を混ぜると飲みやすくなります。
○寝たきりの高齢者の場合
寝たきりの人の場合でも、薬を飲むときは身体を起こして服用させてください。寝たままの姿勢で薬を飲むと誤囁したり、のどにひっかかったりすることがありますからやめましょう。
薬を飲むときに、つい手近にあるお茶やジュースで飲んでしまうという人を見受けます。
確かに大きなカプセルや錠剤は飲みにくいし、粉薬は味に癖があることがあります。
しかしそれでも、一般的に薬を飲む際は、「コップ1杯の水で服用」というのが基本です。
水以外の飲み物で薬を飲むと薬の効果が低下することや、逆に作用が強く働いてしまうことがあります。とても危険な面があるのです。実際に以下の例のような薬と飲み物・食べ物の組み合わせは、危険をともないます。
○血圧降下薬のカルシウム括抗薬(アダラートなど)+ グレープフルーツジュース=薬の作用が強くなりすぎる。
○抗凝血薬のワルファリンカリウム製剤(ワーファリンなど)+ 納豆=薬の働きが弱くなり、血栓ができてしまうことも。
○解熱鎮痛薬のアスピリン製剤(バファリンなど)+果物のジュース=胃から出血するといった危険な副作用が起こることがある。
薬の保管に意外と無頓着な人がいます。キッチンのテーブルの上に、お菓子などの食品や殺虫剤などと一緒の箱に入れてあったり、無造作にテレビの脇のマガジンラックに放り込んであったりすることも。反対に、常温で保管すべき薬を冷蔵庫のなかにしっかりしまい込んでいる人もいます。
薬の保管場所によっては、乳幼児が口にすることがあります。
ここで薬の正しい保管方法をど紹介しましょう。
○ふたのある容器なら容器のふたをしっかり閉めて、高温・多湿を避け、直射日光の当たらない場所に置きましょう。
○「冷所に保管」という指示がある場合のみ、冷蔵庫で保管します。普通の錠剤・カプセル剤は、冷蔵庫から取り出したときに急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、室温で保管が基本です。
○容器はそのままで保管します。薬をほかの容器に移し替えてしまうと、中味や使い方がわからなくなってしまうことも。誤用を避けるためにも、容器の移し替えはやめましょう。
○小さな子どもの手の届かないところに置きます。
○古くなった薬は捨てましょう。薬にも消費期限はあります。
これらの保管方法を、しつかり守るようにしましょう。
医師から処方された薬を、自分の判断で増減することや服用をやめることは、病気を悪化させる危険をともないます。
薬は、必ず医師の指示に従って服用してください。
-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年07月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載