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インフルエンザ

日本において季節性インフルエンザが大流行した年は、インフル工ンザが原因で死亡する人が、1万人を超えます。
現在のところ今冬のインフル工ンザの流行がどの程度になるかはわかっていません。しかし、インフルエンザに備えるには、流行が始まる前の11月が非常に重要な一か月となります。

インフルエンザの特徴

 インフルエンザという言葉は、「影響」を意味するラテン語から生まれました。インフルエンザという病気自体は古代からありましたが、命名されたのは16世紀でした。命名された当時、インフルエンザの真の原因は発見されておらず、星の運行や気候の変動といった「影響」がこの病気をもたらすと考えられていました。
 現代ではインフルエンザの原因がウイルスであることはよく知られています。
 インフルエンザウイルスにはいくつもの種類がありますが、大きくA・B・Cの3つの型に分類されています。このうちC型は、ほとんどの人が幼児のうちに感染するもので、症状も重くありません。問題となるのはA型とB型です。
 A型のインフルエンザは、ウイルスの形が変化しやすいという特徴があります。このためA型は、人間の免疫が不十分である場合があり、B型に比べて流行が起こりやすく、流行の規模も大きくなる傾向があります。また、A型に感染すると、B型よりも症状が重くなる傾向があります。
 2009年に、新型インフルエンザが流行し、一時はフェーズ6という非常に危険な状況に至ったことは記憶に新しいところです。
 このインフルエンザウイルスは、現在A型の季節性インフルエンザとして毎年流行しています。
 そして、このウイルスに加えインフルエンザとしては馴染みの深いA香港型、さらにはB型。今年のインフルエンザ・ワクチンはこの三つのインフルエンザを予防する混合ワクチンになっています。

インフルエンザの感染対策

 インフルエンザは、一部の例外を除き、基本的には人から人へ感染します。
 日本におけるインフルエンザの流行期は、12月~3月です。この時期は、マスクをして、手洗いとうがいをこまめに行なうことを心がけましょう。
 インフルエンザがもっとも流行する時期は、できるだけ人がたくさん集まる場所への外出は控えるようにしましょう。
 とはいえ、やむを得ない用事で出かける場合もあります。インフルエンザの流行に関する多くの情報がニュースで報道されます。感染状況をよく把握して行動することが大切です。

インフルエンザの感染にとくに注意してほしい人

 インフルエンザの感染・発症にとくに注意してほしい人は、「ハイリスク群」とよばれています。
 65歳以上の高齢者世代。妊娠している方。心臓や肺に疾患のある方。糖尿病の方。こうした人たちはインフルエンザが重症化した場合、ご自身の命に関わる問題や深刻な後遺症が起こる可能性があります。
 ハイリスク群の方には、より一層インフルエンザ・ワクチンの接種が勧められています。インフルエンザ・ワクチンは、インフルエンザの感染を完全に防ぐものではありませんが、重症化を防ぐ効果が高いとされているからです。
 インフルエンザ・ワクチンは、4か月程度、有効であるとされています。このため11月の初旬までに予防接種を行なうことが、タイミングとしてはもっとも良いでしょう。
 ハイリスク群に該当しなくても、ワクチン接種が有効であることはいうまでもありません。

インフルエンザが発症したら

 インフルエンザには、ウイルスの増殖を抑える、非常に効果的な薬がいくつか開発されています。ただし、これらの薬は、インフルエンザウイルスが体内で最大の量になる、発症から48時間以内に使用することで効果を発揮します。急な発熱やせき、のどの痛みが起こった場合は、早急に病医院を受診するようにしましょう。
 発症から48時間を超えてしまった場合はどうでしょうか? こうしたときは、症状が重症化しないように十分な注意を払いながら安静を保ち、医師の指示に従って、治療を受けてください。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年11月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載