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お正月特集「お餅をのどに詰まらせない」

古くから日本には、お米を大切にする文化があります。稲には霊力があると信じられ、お米を固めたお餅は、神聖な食材とされました。
お正月にお餅を食べる風習は、こうした伝統文化に基づいています。
しかしその一方で、この時期になると目立つ残念なニュースがあります。それは、お餅をのどに詰まらせて亡くなられる方が増えることです。

お餅をのどに詰まらせてしまうのは、なぜ?

 お餅をのどに詰まらせて亡くなられる方のほとんどは、65歳以上の方です。
 私たちは普段あまり意識することなく、食べ物を食べ、呼吸をします。これらは、身体の反射的な反応と、のどにある複雑な働きをする筋肉によって行なわれています。
 こうしたのどの機能も、他の器官と同じように加齢により衰えて行きます。このため、飲み込む力が衰えて、お餅をのどに詰まらせてしまうケースが増えてきます。

お餅をのどに詰まらせないようにするには

 65歳以上の方がお餅を食べるときは、お餅を一口サイズに切ることを徹底しましょう。
 調理方法としては、お雑煮のように、お餅が水分を含む料理にしてください。食べ方は、ゆっくりと噛んで食べること。水分を補給して口のなかが乾いた状態にならないように注意してください。

お餅がのどに詰まってしまったら

 お餅をのどに詰まらせてしまったら、まず、救急車を呼ぶことを最優先してください。
 そして、お餅を詰まらせた人に意識があるときは、咳をさせること。咳ができないときは、その人の後方から胸や下あごを支えて顔を下向きにさせ、両腕で抱えるようしてへそとみぞおちの間に両手を組み合わせ、強く腹を圧迫してお餅を吐き出させます。
 ただし、意識がないときは、この方法は危険です。AEDや人工呼吸による心肺蘇生を行なってください。




-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2015年01月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載