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性機能障害=EDとFSD

性機能障害は、さまざまな原因によっで性行為ができなくなる病気です。そうした原因のなかには、心のなかの根深い問題が関係していることや、思わぬ重大な身体の病気が影響していることがあります。

男性の性機能障害・EDとは?

 性機能障害は、さまざまな原因によっで性行為ができなくなる病気です。そうした原因のなかには、心のなかの根深い問題が関係していることや、思わぬ重大な身体の病気が影響していることがあります。

 EDとは「Erectile Dysfunction」の略で、「勃起機能の低下」という意味です。勃起機能の低下は、完全に勃起が起こらない状態だけではなく、性交時に必要な状態を維持できないケースも含まれます。
「EDはまれな病気」でないかと思う方もいらっしやるでしょう。しかし、中程度(途中で性行為ができなくなる状態)のEDを含めると、日本では成人男子の4人に一人が該当するほど、身近な病気でもあります。

 では、EDの原因となるのは何でしょうか?勃起は、脳からの性的な興奮状態を伝える神経と連動して、陰茎の海綿体へ血液が流れる仕組みによって起こります。こうした神経の働き(心因性)と血液の働き(器質性)のどちらか、あるいは両方に障害が起こるとEDになると考えられます。

心因性と器質性

 脳からの性的な興奮を伝える神経が、正常に働かなくなる要因の一つはストレスです。EDを引き起こすストレスは、夫婦間の問題に限定されません。仕事や日常生活における様々なストレスが関係しています。また、子どもの頃の精神的なトラウマがストレスとなっているケースもあります。こうしたストレスには、「些細な」ストレスも含まれることに留意してください。思わぬことがEDの原因となっていることがあるのです。

 一方、器質性によるEDの要因には、糖尿病や高血圧、高脂血症動脈硬化といった生活習慣病の他脳腫瘍やパーキンソン病、アルツハイマー病といった重篤な病気が関係していることがあります。
  EDの場合、心因性の要因で発症することが多いと思われがちですが、実際には、心因性と器質性の両方が重なり合ってEDになるケースが9割近くを占めます。とくに最近は、身体の病気がEDに大きく関係しているケースが増加しています。
  EDに思い当たる方は、「時々なるだけだから……」というような場合でも軽視することなく、ご自身の健康状態をもう一度よく見つめ直すことが大切です。

 

EDの治療は?

 EDの相談・治療は、泌尿器科だけでなく、内科や心療内科で受け付けている医療機関もあります。気持ちを楽にして、まずは、かかりつけ医に相談してください。
  EDの治療は、問診票への記入の後、身体的な異常がないと判断されれば、治療薬による薬物療法が行なわれます。
  EDの薬物療法は、1999年から日本でも治療薬が発売されて、大きく飛躍しました。現在は、治療薬の種類も増え、選択肢も広がっています。
 

女性にも性機能障害はある!

  男性のEDほど一般的には知られていませんが、女性にも性機能障害が存在します。それがFSD(Female Sexual Dysfnction)です。
FSDには、性交時に苦痛があるといったケースのほか、性交に満足感の得られない状態も含まれます。アメリカで行なわれた調査では、女性の性機能障害は、男性で性機能障害を患う人よりも多いという結果もでています。
  FSDの原因は、おもに心の問題が関係しているとされていますが、やはりED同様、心因性と器質性の両面から病気の原因を調べていく必要があります。FSDの相談は婦人科や精神科で受け付けています。デリケートな問題ですが、一人で悩まずにご夫婦の問題として取り組んでいくようにしましょう。
 

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2016年3月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載