健康情報 こんにちわ

 

うつ病100万人時代―うつ病の診断基準と夏季うつ病―


日本では、うつ病を含む不安障害を抱える患者が100万人を超えています。これは、日本人のおよそ10人に一人。JRの通勤車両の定員が140人前後なので、
乗車率200%を超える満員の通勤電車であれば、一つの車両に2~3人は、うつ病で苦しんでいる方が乗車している計算になります。うつ病対策は、非常に身近な問題として、取り組んでいく必要があります。

うつ病には早期発見と早期受診


  うつ病や抑うつ状態(うつ病よりは軽い状態)にあるかどうかは、アメリカの精神医学会で定義している「DSM-Ⅳ(精神障害の分類と診断の手引き)」 によって調べることが普及しています。
  うつ病は、早期の発見・受診によって治療効果が高まります。この点は、抑うつ状態(うつ病よりは軽い状態)であっても同じです。
  右の表を持ち帰って、ご家族でうつ病のチェックをしてみてください。
  そして、うつ病や抑うつ状態の不安があるときは、ためらうことなく、かかりつけ医に相談するようにしましょう。


 

 

 

 

 

 

 

 

夏季うつ病を予防する

 
  近年、夏場だけうつ病になる「夏季うつ病」と呼ばれる、季節性感情障害が話題になっています。
  夏季うつ病で多い症状は、不眠と食欲不振。これは、夏パテと症状がよく似ています。夏パテとの違いは、気分の落ち込みや不安感といった精神的な不調が現われることです。
  夏季うつ病と通年性のうつ病の違いは、夏季うつ病の場合、季節が変わると症状が改善することです。また、うつ病の発症にはストレスが関係していますが、通年性のうつ病ではストレス源が明らかなことが多いのに対して、夏季うつ病では、例えば、喪失体験であるとか人間関係といった原因となるストレスが特定できないといった違いがあります。
  夏季うつ病の引き金となるのは、おもに夏の暑さや環境がもたらすストレスです。暑さによる過度の疲労感や栄養の偏り、睡眠不足、空調の影響による自律神経の働きの乱れ。こうしたことが、夏季うつ病と関係しています。
  夏季うつ病には、女性がなりやすいという特徴もあります。
  毎年夏場になるとうつ状態が現われるという方は、こうした状態を軽視しないで、暑さ対策を含めた生活習慣の改善を行ないましょう。また、生活に支障があるようでしたら、かかりつけ医に相談するようにしてください。

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2016年6月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載