広報誌 南東北

 

ウコン

 南アジアを中心に熱帯から亜熱帯に分布するショウガ科の多年草植物で原産地は東インド地方です。飲酒前や二日酔いに良いとドリンク剤やサプリメントとして人気を集めています。日本では秋・春・紫ウコンが代表的ですが、肝機能改善に寄与すると考えられるクルクミンを含有するのは秋ウコンだけです。根茎部はカレー粉や健康食品として使われます。
 まだ分からない点も多く、効能が科学的に証明されたわけでもありません。逆に日常的に過剰摂取した場合に危険性が指摘されています。特にB型・C型肝炎といった慢性の肝臓疾患がある人は注意が必要です。ウコンにあるとされる効能のうち「肝臓の機能を高める効果」という情報を「肝臓の疾患を良くする効果」と誤解してしまうと大変な事態を招く恐れがあります。肝炎により機能低下している肝臓に、ウコンに含まれている鉄分が過剰に蓄積され健康被害が起こる例。ウコンの過剰摂取で肝細胞の働きを阻害するほどの脂肪が蓄積される「脂肪変性」を起こす例―など。これらは肝炎を肝硬変へと悪化させる原因になるとの報告もあります。
 健康に不安があるときはウコンに限らず健康食品すべてに細心の注意を払うべきです。多種多様な商品が販売されていますが、一部で健康被害も報告されています。厚労省も「病気などで身体に不安がある人は、健康食品を摂取するとき事前に摂取の可否などを医療機関に相談してください」と注意を促しています。

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