当院ではこのたび、ロボティックアーム手術支援システム「Makoシステム」を導入いたしました。
ロボティックアームとは、一般に「人の手の代わりに作業を行う機械の腕(アーム)」のことで、自動で動くものや人が操作して動かすものなどがあります。このたび当院で導入したロボティックアームは、術中に医師が操作して動かすもので、人工関節を設置する際に傷んだ骨を削るために使われます。 ロボティックアームは、治療計画にない部位にさしかかると止まる仕組みになっており、計画外の動きを制御することで、安全かつ正確な手術を可能にします。
【略歴】
2003年 福島県立医科大学卒業、福島県立医科大学整形外科学講座入局
2008年 福島県立医科大学大学院入学
2009年 坂下厚生病院勤務
2011年 白河厚生病院勤務、日本整形外科学会 整形外科専門医取得
2012年 福島県立医科大学大学院卒業、坂下厚生病院勤務
2013年 総合南東北病院勤務
【資格】
日本整形外科学会整形外科専門医
福島県立医科大学 博士研究員
【所属学会】
日本整形外科学会
日本人工関節学会
日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会
【ひとこと】
こんにちは。総合南東北病院人工膝関節センターの上杉和秀と申します。坂下厚生病院の菊地忠志先生の下で人工膝関節手術の研鑽を積み、2013年に当院に赴任いたしました。赴任当初は、外傷を含めた整形外科疾患全般の手術を行っていましたが、2015年に当院に外傷センターが設立されて以後、膝関節手術に特化した診療体制が可能となり、これまでに1000件を超える人工関節手術を施行してまいりました。
日本では、皆様ご存じの通り急速に高齢化が進んでいます。同時に、膝痛を抱える患者さんも全国的に増加しています。また、核家族化と都市化の進展に伴い、一人暮らしのご高齢の方々が急増しています。生涯に渡って自立し、歩き続けるためには、膝関節の適切な治療が不可欠となります。半月板手術や骨切り術などで対応できないほど膝関節の変形が進んでしまった場合、人工膝関節置換術の適応となります。当院では2020年にナビゲーションシステムを、2022年10月からはロボティクス手術を導入いたしました。従来の手術術式に比べ、格段に正確・精密な手術が可能となりました。内服薬や注射療法などで膝の痛みが改善しないときは、下肢の筋力が低下してしまう前に是非当院外来を受診し、相談頂きたいと思います。
手術後は歩行時の膝痛が改善します。ほぼすべての患者さんが2~3週間ほどの入院で歩行可能となり退院されます。退院後は畑仕事やゴルフなどの軽い運動が可能となります。
手術により、膝関節を中心とした荷重軸が真っすぐになります。そのため、体重をかけたときに膝がぐらつかず、安定してしっかり立つことができます。
手術後のリハビリにより、当院で手術をした患者さんは手術前より、膝関節可動域(曲げ伸ばしの角度)が平均で10%改善します。
外来で診察を受け、膝関節の状態を評価します。保存療法(内服薬、注射)や半月板手術、骨切り術などで効果が望めないと判断された場合に人工関節手術をすすめます。
採血、X線写真、心電図、呼吸機能検査を行い、手術が可能な全身状態か判断します。膝関節のCT検査を行い、手術の計画を立てます。
※膝関節の3D解析と手術計画プログラムに3週間必要です。
麻酔科の先生と顔合わせをしていただき、また、歯科口腔外科を受診していただき、口腔ケアを行ってもらいます。※入院1~2日前
大きな持病のない患者さんは、手術前日の入院となります。糖尿病など術前にコントロールが必要な持病をお持ちの方は、手術3~7日前の入院となります。
両膝とも変形している患者さんであっても、痛い方の膝を手術することで手術していないほうの膝の負担が減るため、基本的に片側ずつの手術を勧めています。しかしながら両膝が高度に変形してしまっている患者さんでは、①術後に脚長差が生じる(手術していないほうの膝が曲がったままなので短く感じてしまう)②手術していないほうの膝が痛くてリハビリが進まない③時間的な余裕がないなどの理由により両膝同時に手術を施行することがあります。入院期間は通常より1週間ほど長くなりますが、リハビリに大きな後れが生じることはあまりありません。両膝とも同じくらい痛くて悩んでいる場合には、ぜひ相談してください。
どんな手術であっても、どんなに工夫をしても100%安全な手術は存在しません。人工関節手術では以下の合併症のリスクがあります。
手術中、あるいは術後に手術部位に細菌が入り込み、感染してしまうことがあります。傷の表面の感染であれば抗菌薬で治療可能ですが、感染が深部に及んだ場合には再手術が必要となります。
手術に伴い、下肢の静脈に血栓が生じてしまうことがあります。非常にまれですが、血栓が血流に乗って肺に詰まってしまうと命にかかわります。血栓予防のため、フットポンプや抗凝固薬の使用、ストッキングの着用など対策を立てております。
手術で用いる痛み止め、麻酔薬および抗菌薬、さらにはゴムや金属などに対してアレルギーが生じてしまう患者さんがいます。内服薬や抗菌薬などでアレルギーをお持ちの方は事前に報告いただけると助かります。特に、人工関節は金属でできていますので、金属アレルギーの方は必ず申し出てください。金属アレルギー対応の人工関節を御用意いたします。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
午前 | ○ | ○ | ○ | |||
午後 |
インターネット初診予約 | 南東北医療クリニック 人工膝関節センター初診受付サービス |
---|---|
電話予約センター | フリーダイヤル 0120-14-5420 |
(1)新国道経由 | 日和田・フェスタ行…勝木沢・南東北病院前下車 |
---|---|
(2)八山田循環 | 勝木沢・南東北病院前下車 |
詳しくはこちらの資料をご覧ください。[pdfファイル] |
---|